はじめに
2023年6月から開始された「障害者雇用センタートライアル」が、TMJ(株式会社TMJ)において新たに拡大され、福岡市博多区のTMJ福岡第2センターでの業務が始まることとなりました。この取り組みは、障害者の雇用を促進し、彼らが職場で安心して活躍できる環境を整えることを目的としています。
障害者雇用の現状とTMJの役割
障害者雇用に関する課題は山積しています。2024年には法定雇用率が2.5%に引き上げられる予定であり、企業は積極的に障害者の採用を行う必要があります。その一方で、採用後の定着率が低いことも問題視されています。具体的には、就職1年目の離職率が41.6%に達するというデータもあり、これは障害者が初期の段階で職場環境に馴染むことができない場合が多いことを示唆しています。
TMJでは、2017年から障害者の雇用を本格的にスタートし、2023年3月時点で2.54%の雇用率を達成しました。しかし、コロナ禍とデジタルトランスフォーメーションの影響で、従来の職域開発が難しくなり、新たな業務開発が求められていました。
センタートライアルとは
センタートライアルは、TMJのコールセンター業務を中心に、障害者が安心して業務を行える環境を整え、プロフィット化を図る取り組みです。最大の特徴は、障害者雇用に携わる専門の管理者が「伴走者」となり、採用から業務習得までしっかりと支援することです。これにより、障害者は初期段階でも安心して業務に取り組むことができます。
2025年1月からの拡大
2025年1月16日から、TMJ福岡第2センターで新たにセンタートライアルが開始され、主に大手転職サービスのアシスタント業務が行われます。具体的には、転職希望者と企業の面接日程の調整などが行われる予定で、業務に慣れながら徐々にスキルを拡大していくことが期待されています。これにより、障害者のスキルアップと自社業務への貢献が見込まれます。
定着支援に向けた独自の取り組み
センタートライアルでは、以下のような取り組みを行っています。
1.
伴走型支援: 専門の管理者が採用から業務習得までをサポートし、必要な配慮を行います。
2.
段階的な移管: 独り立ちができる段階で、マネジメントをセンター部門に移管し、育成負荷を軽減します。
3.
三方よしの仕組み: 障害者のスキルアップ、センター部門の人材確保、会社の収益性向上を目指した仕組みを構築しています。
今後の展望
TMJは、センタートライアルを通じて障害者雇用の定着支援を更に強化し、障害者が求める配慮を実現するための体制を充実させる方針です。また、クライアント企業の協力を得て、障害の有無に関わらず、多様な人材が活躍できる職場づくりを進めていきます。
結論
TMJの取り組みは、障害者雇用における新たな道を示すものであり、より多くの企業がこのような方法を取り入れることで、社会全体のインクルージョンが進むことが期待されます。また、さまざまなウェビナーやサービスを通じて、障害者雇用に関する情報を提供し、企業が持続可能な雇用の実現に向けて動き出すことを願っています。