日英の量子産業連携を深化させる新たな覚書が締結
一般社団法人量子技術による新産業創出協議会(以下、Q-STAR)と英国の量子産業コンソーシアムであるUKQuantumは、量子産業における日英の連携強化を目的とした覚書を締結しました。この覚書は、量子技術の発展とその社会実装に向けたグローバルな国際協力を推進する上で重要なステップとなります。
この覚書は、既に日本と英国の政府間で署名された「日英間の量子科学技術に関する協力覚書」に関連しています。民間団体のQ-STARとUKQuantumが連携することで、より実践的な業務が進んでいくことが期待されています。両団体は、以下の4つの分野での取り組みを重視していくことを表明しています。
1. 量子産業・研究領域の交流
この取り組みでは、両国のスタートアップ、大企業、投資家、研究機関といった関連機関の交流を推進します。特に、相互に良好な連携を築くことで、量子関連の研究とビジネス開発を活発化させることが狙いです。これにより、新たなアイデアや技術が生まれ、両国の量子産業はより強固なものとなるでしょう。
2. 政策提言
さらなる量子エコシステムの成長を目指し、両国は政策提言にも取り組みます。つまり、これらの活動を通じて、より効果的な政策の策定を後押しし、量子技術の進展に寄与することを目指します。
3. 学会・イベントへの共同参画
国際的な学会やイベントに共同で参画することで、両国のプレゼンスを向上させます。これにより、グローバルな量子産業における双方の影響力を強化することを目標にしています。
4. 量子イベントの共催
量子産業の関係者間の協力を促進するため、さまざまなイベント、ワークショップ、ネットワーキングの場を提供し、双方のコミュニケーションを深める機会を設けます。この活動が量子産業に新たな風を吹き込むことを期待しています。
Q-STARとUKQuantumは、今後も政府機関とも連携しあいながら、両国の量子産業のさらなる発展に貢献していく方針です。
Q-STARとは
Q-STARは2021年9月1日に設立され、量子技術の発展を目指しています。全体で108の法人が参加しており、産業の枠を超えて新たな産業の創出を目指しています。国際的な連携も視野に入れ、量子技術の普及に向けた活動を進めています。
UKQuantumとは
UKQuantumは、2022年に設立され、英国の量子産業の推進を担う団体です。その目的は、政府や国際社会と協力しながら、英国における量子技術の実装を促進することです。約60の会員が所属し、グローバルな量子技術産業においてリーダーシップを取っているという特徴があります。
日英の連携が深まることで、量子技術の未来がさらに明るいものとなるでしょう。この覚書の締結が、両国における量子産業の新たな発展の契機になることを期待しています。