九州発の新たな人材育成ツール「DX推進力アセスメント」が完成
日本能率協会、九州工業大学、Kyutech ARISEが共同で開発した「DX推進力アセスメント」が2025年内に提供開始されることが発表されました。この新ツールは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための人材育成を目的としたもので、福岡市内で開催された記者発表会でその特徴と意義が語られました。
開発の背景と目的
近年、企業においてDXの導入が急務となっていますが、それに伴うデジタルスキルを持つ人材の不足が経営課題とされています。この状況を鑑みて、日本能率協会(JMA)と九工大、Kyutech ARISEは、産学連携でDX推進の評価を行うアセスメントを開発しました。アセスメントは、企業のDX成熟度を測定し、その結果を基にした研修やコンサルティングを提供する形で、人材育成を加速させる狙いがあります。
「DX推進力アセスメント」の特長
1. 複合的な評価
アセスメントは全6問から成り、受検者は自身がDX推進の担当者であると仮定し、記述式で回答します。評価基準は「DXによる業務改善構想」や「ユーザー視点のDX技術活用」などの6つの次元に基づいています。この多面的な評価により、受検した個人と組織の双方の強みや弱みが洗い出されます。
2. 効果的なフォローアップ
診断結果に応じて、JMAおよびKyutech ARISEが提供する研修やコンサルティングサポートを利用することで、実際の課題に対する解決策を見出し、組織全体の知識やスキルを効果的に強化できる仕組みが整っています。
3. 科学的アプローチ
アセスメントの開発には、脳科学者の茂木健一郎氏からの助言も取り入れられています。デジタルスキルの向上は、職場において人間力を高めるために必要な要素であると強調されています。
代表者からのコメント
記者発表会では、各代表者のコメントも発表されました。JMAの富浦渉氏は、地域経済の持続的な発展にはDX推進人材の育成が不可欠であると語り、九工大の安永卓生氏は、DXは単なるシステムの導入ではなく、継続的なプロセスであると述べました。また、Kyutech ARISEの嶺正二郎氏は、客観的評価基準の策定により、九州エリアの企業の人材マネジメントが強化されることに期待を寄せています。
結語
「DX推進力アセスメント」は、業界のDX進展を支援する新たな一歩として、地域経済や雇用の創出に寄与することが期待されています。2025年からの提供開始に向け、さらなる注目が集まります。今回の開発により、九州エリアはさらに高度なDX推進への道を切り開くことでしょう。