Norwalt社が新たに開発した印刷機「テセラクト」
Norwalt Automation Group(以下、Norwalt社)は、磁気浮遊式搬送システム「XPlanar」を基にした新たなダイレクトデジタル印刷機「テセラクト」を発表しました。この新しい印刷機は、消費財容器に対して直接印刷を行い、多様な形状の容器に柔軟に対応できる点が特徴です。これまでの印刷方式で抱えていた課題を一気に解消したといえるでしょう。
従来の印刷方法とその課題
Norwalt社は50年以上にわたり、主にFortune 500企業を対象に特注機械の自動化を行ってきました。従来のラベル印刷方式では、大口のロールでの発注がコスト面での負担を大きくし、また印刷ミスや段取り替えにかかる時間が原因で材料ロスが発生していました。小ロット対応のための初期投資や準備期間も大きな課題でした。
同社の技術営業ディレクターであるカイル・サイテル氏は、「大口のラベル発注は莫大なコストがかかる上、保管スペースを大きく占有してしまう」と指摘しています。こうした背景の中で、Norwalt社は「ダイレクト・トゥ・オブジェクト(DTO)印刷」に注目しました。
テセラクトの特徴と技術的利点
「テセラクト」は、XPlanarの可動子を活用し、印刷対象物を6自由度で高精度に位置決めすることが可能です。これにより、ユニークな形状の対象物に対しても柔軟に印刷を行うことができます。具体的には、対象物の360°回転やXY方向の移動のほか、最大5mmのZ軸調整も行えるため、精密な印刷が実現しています。
印刷工程では、XPlanarが対象物をプリントヘッド周囲で自由に搬送し、高品質な印刷を保証します。印刷後はロボットアームが製品を取り外すため、自動化が進んでいます。
システムの省スペース性と拡張性
Norwalt社は、初期検証段階で3×3のXPlanarタイルを配置し、必要に応じてタイルやプリントヘッドを追加することで段階的にスケールアップできる柔軟性を提供しています。この構造のシンプルさと拡張性により、メンテナンス面でもコスト効率が向上し、設置スペースの節約に寄与しています。
部品数が減ることで、機械的故障のリスクも低下し、問題が発生した際の対処も容易になっています。ソフトウェアでの調整が可能なため、95%のエラーはリモートで解決できるといいます。
高精度な印刷を実現する制御技術
制御の中心には、ベッコフの組込み型PC「CX2062」と「TwinCAT」ソフトウェアがあり、モーションプロファイルを精密に管理します。これにより、印刷品質を左右する位置決めや動きの自由度が向上し、機械全体の開発効率も大幅に改善されました。
Norwalt社のエンジニアは、XPlanar、PLC、各種モーション制御を全てTwinCATに統合し、開発工数を短縮しました。手作業で数時間かかっていた工程が数分で完了できるようになりました。
導入による効果
「テセラクト」は、印刷品質の向上に加え、在庫コストや材料ロスを削減することに成功しました。XPlanar導入により部品点数が減少し、機械のコストも30-40%削減。これらの改善により、Norwalt社はより俊敏で効率的な印刷プロセスを実現しました。
まとめ
「テセラクト」は、従来の印刷機の限界を突破した新しいデジタル印刷機であり、消費財業界における「未来の工場」を描くNorwalt社のビジョンを具現化する存在です。この革新的な印刷機によって、今後の印刷業界にも新たな潮流をもたらすことでしょう。