建設業界におけるペーパーレス化の現状と課題
最近、建設業界のペーパーレス化についての調査が実施され、249名の業界関係者が回答しました。この調査では、ペーパーレス化の進展状況やその効果、さらにはそれを阻む障壁についても詳しく分析されています。
ペーパーレス化の進捗状況
調査の結果、約47.4%の回答者がペーパーレス化が進んでいると実感しているのに対し、過半数は未だ進展を感じていないことが明らかとなりました。特に、企業規模によって進捗が異なることもわかりました。売上高30億円以上や従業員数101人以上の企業では、ペーパーレス化が進んでいると感じられる割合が高く、逆に小規模企業ではコストやリソースの不足がその進展を妨げていることが指摘されています。
書類や帳票のペーパーレス化状況
建設業における書類の電子化状況を見てみると、工程関連書類の電子化が比較的進展していることがうかがえます。14.1%の企業が完全に電子化されており、67.9%が一部電子化しています。一方で、契約書類や労務・安全衛生書類のペーパーレス化は進んでおらず、特に労務関連は約29.7%が全く電子化されていないという現実があります。
ペーパーレス化のメリット
ペーパーレス化を実施した企業の多くが、コスト削減や業務効率の向上を実感しています。特に、紙代や印刷代の軽減が55.4%、書類の検索のしやすさが50.6%、省スペース化が51.0%と高い割合で評価されています。また、41.8%は業務効率化に寄与していると感じています。
ペーパーレス化の必要性
84.7%の回答者が職場でのペーパーレス化の必要性を感じており、特に「強く感じている」との回答も37.3%を占めています。これは業務の効率化やコスト削減に対する期待の表れでもあります。しかし、一方で「全く感じていない」という声が1.6%あったことは、すべての職場でその効果が実感されているわけではないことを示しています。
ペーパーレス化を阻む障壁
調査では、ペーパーレス化が進まない理由として、46.2%が「高齢化やリテラシー不足」であると回答しました。これにより、社内でのデジタル技術の浸透が難しくなっていると考えられます。また、32.5%が「電子化が難しい書類が多い」、31.7%が「推進する人材が不足している」といった問題も挙げられました。特に中小企業においてはリソースの不足が顕著で、このことがペーパーレス化の進展を妨げる大きな要因となっています。
今後の取り組み
今後、調査結果を基にさらなる分析を進め、建設業界のペーパーレス化を推進していく取り組みが期待されます。現場TECHでは、業界のDX推進に寄与するため、様々な情報を発信していきます。
調査概要
- - 調査期間:2024年11月21日~2024年11月27日
- - 方法:WEBアンケート
- - 有効回答者数:249名
この調査結果を通じて、今後の建設業界におけるペーパーレス化の推進が促進されることを期待しています。