ウクライナ復興支援
2023-10-05 13:30:02

ウクライナ復興支援に向けて可搬型浄水装置を供給する日本原料の挑戦

ウクライナ復興支援活動



日本原料株式会社は、ウクライナの基礎インフラ復興の一環として、可搬型浄水装置「モバイルシフォンタンク」(型番: MST-2300S)を供給することとなりました。この取り組みは、日本政府の無償援助緊急復旧計画に基づいており、令和5年9月29日に発表されました。これにより、ウクライナの首都キーウと南部の港湾都市オデーサに対して、計4基の浄水装置が供給されることが決まり、今年末までに届けられる予定です。

背景



ロシアの軍事侵攻によって、ウクライナは壊滅的な打撃を受けており、特に生活基盤が大きく侵害されています。このような状況を受け、外務省が発表した「ウクライナに対する無償資金協力(フェーズ1)」に基づき、日本国際協力機構(JICA)が行っている無償資金協力の一環として、緊急復旧ニーズに対応する重要なプロジェクトが進められています。

モバイルシフォンタンクの特徴



モバイルシフォンタンクは、砂ろ過浄水装置として新たに開発された技術に基づいています。この装置の最大の特徴は、従来の浄水装置に必要なろ過材の交換が不要であることです。2005年に発生した台風災害での復旧活動を皮切りに、2022年までに21件の自然災害復旧支援に利用されてきました。その活用実績も高く、政府開発援助(ODA)としても採用されています。

ウクライナに供給されるMST-2300Sタイプは、1日あたり約1,000立方メートルの飲料水を生産する能力があります。施設内部には自己洗浄機能が搭載されており、これによりろ過材が常に新品同様の状態を維持できます。特に、この装置に使用される高機能ろ過材は、一般的なろ過材と比べて単位面積あたり5倍の濁質捕集能力を有しています。

技術者のトレーニング



浄水装置の供給と併せて、日本原料ではウクライナから招致した技術者4名に対し、浄水装置の設置から飲料水を生み出すまでのトレーニングを行います。このトレーニングは、茨城県高萩市にある同社の工場で行われる予定で、日程については近日中に発表されます。また、取材に対しても可能な限りオープンに対応する意向を示しています。

日本原料の理念と今後の展望



1939年の創業以来、日本原料は日本の水道事業と共に歩んできました。「地球の水環境の改善に貢献する」という理念のもと、同社は浄水場のろ過材やリサイクル工事を行い、今後も中小規模水道事業の課題解決に向けて技術力を活用していく方針です。近年、自然災害が増加している中で、応急給水などの復旧活動も行い、国内外で安心安全な水を提供し続けることを目指しています。

日本原料は、今後も水の格差をなくすために尽力し、「ろ過」「ろ過材」「水処理」に関する知識を基に、社会に貢献していくことを示しています。このウクライナ支援プロジェクトは、その一環として、国際的な水環境の改善に寄与するものとして期待されています。

会社情報

会社名
日本原料株式会社
住所
神奈川県川崎市川崎区東田町1-2いちご川崎ビル3階
電話番号
044-222-5555

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