高齢者とデジタル
2020-02-07 16:15:07
高齢者のデジタル利用実態を探るエストニア調査結果と未来の可能性
エストニア高齢者のデジタル利用実態調査
エストニアを旅行した若宮正子氏の疑問がきっかけとなり、60歳以上の高齢者を対象にした電子政府サービスの利用に関する調査が実施されました。調査は2019年6月から12月にかけて行われ、最終的に100人の有効回答が得られました。
調査の背景
若宮氏は、エストニアの電子政府を体験し、高齢者がこのデジタルサービスをどれだけ使っているのか、またその使い方について関心を抱きました。彼女は「高齢者がデジタルデバイスを使いこなせない」という先入観を払拭し、高齢者のデジタル利用実態を明らかにすることを目的としました。この調査は、そのことを示す重要な一歩となります。
調査結果の概要
調査結果によれば、エストニアの高齢者のうち84%が電子政府サービスを利用していることがわかりました。この結果は、年齢や性別、地域に関わらず同様であり、高齢者におけるデジタルサービスの普及が進んでいることを示しています。特に93%の高齢者がデジタル化によって生活の幸福度が向上したと感じており、便利さや時間の節約に感謝の意を示しています。
利用者の8割は「時間を節約できる」または「外出せずにサービスを利用できる」と答え、可処分時間が増えることが生活の質向上につながっていることが示唆されました。こうした結果は、エストニアの電子政府サービスの有効性を物語っています。
アナログサービスへの需要
一方で、2割弱の高齢者は、現在でもアナログでのサービスを好むと回答しています。理由として、「デジタルより市役所に行く方が楽」といった声も上がりました。これは、デジタルサービスが主流であっても、依然としてアナログサービスの重要性が残っていることを示しています。
学習方法とサポートの重要性
高齢者がデジタルスキルを身につけるための学習方法としては、自己学習が46%、家族からの学びが40%とされています。多くの高齢者が家族の助けを受けながらデジタルスキルの向上を図っていることが明らかになっています。「デジタルデバイドを解決するためには、家族や政府からのサポートが必要」という意見も多く寄せられました。
今後の展望
若宮正子氏は、この調査の結果を受けて、さらなる調査を行う意向を示しています。具体的には、日本や韓国における高齢者のデジタルサービス利用状況を調査し、地方自治体でのデジタル普及活動に取り組む予定です。
一方、エストニア在住の齋藤アレックス剛太氏も、日本のデジタルデバイド問題解消に向けた取り組みを強化する考えを示しています。
今後、様々なメディアやイベントを通じて、エストニアの高齢者のIT利用実態が広まることが期待されています。エストニアの成功事例は、多くの国々のデジタル政策の参考となるかもしれません。
会社情報
- 会社名
-
SetGo Estonia OÜ
- 住所
- Tina 9, Tallinn, Estonia3rd Floor
- 電話番号
-
372-5196-6180