国産材の新たな未来を切り拓く
神奈川県横浜市を拠点にするナイス株式会社が、令和6年度の木材利用推進コンクールにおいて栄えある林野庁長官賞を受賞しました。この賞は国産材の利用促進に貢献する企業を対象に授与され、ナイス株式会社の取り組みが高く評価された結果です。
木材利用推進コンクールの意義
木材利用推進コンクールは1993年から毎年行われており、木材利用の促進を目指しています。このコンクールでは優秀な木材利用の作品や活動が表彰されますが、特に国産材に積極的に取り組む企業はその中でも重要な位置づけです。
国産材利用推進部門の受賞
ナイス株式会社は、2023年5月に農林水産省とともに「国産材の利用拡大に関する建築物木材利用促進協定」を締結し、2022年度の国産材の取扱量を約40万㎥から、2027年度末までには65.5万㎥に増やすことを目標に掲げて取り組んでいます。この目標の達成に向けた活動が受賞の要因となり、国産材の利活用拡大に貢献する姿勢が評価されました。
取り組みの具体例
ナイス株式会社が行っている具体的な取り組みは以下の通りです。
1. 住宅における国産材比率の向上
住宅の構造材において国産材の使用比率を向上させるため、国産スギ材を用いた実実験を行っています。特に横架材の国産材比率は低いため、製材や集成材を用いた代替提案を進めています。木材のアッセンブル機能を活かし、住宅全体で国産材が活用されるよう提案しています。
2. 非住宅の木造化
「ウッドビルディングネットワーク」を基盤に、専門の部署である「木造テクニカルセンター」を設置しています。このセンターを通じて、グループ内外のネットワークを活用し、木造建築に向けた最適なソリューションを提供し続けています。
3. オリジナル木材製品の開発
ナイス株式会社は、ファブレスメーカーとして様々な製材事業者や加工業者と連携し、オリジナル木材製品「Gywood®」や「ObiRED®」の開発・販売を行っています。これにより、建物の内外装を木質化し、建築分野以外においても国産材の利活用を拡大することで新たな市場の開拓を目指しています。
持続可能な社会への貢献
ナイス株式会社は、国産材の利活用を通じて持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けていきます。今後も国産材の利用を促進し、地域経済への貢献を果たすことで、より良い未来づくりに努めていく方針です。
表彰式では、ナイス株式会社の取締役会長・杉田理之氏と林野庁長官の青山豊久氏が出席し、受賞の喜びを分かち合いました。このような取り組みが、多くの企業に影響を与え、国産材の活用が進むことを期待しています。