世界は液体冷却の時代へ
近年、世界は加速度的に液体冷却の時代に突入しています。特に計算力が重要視される現代では、処理能力の競争が企業の勝敗を左右します。データセンターや通信ネットワークの急成長が、ハードウェアの集積度や消費電力を増加させ、それに応じた冷却技術の革新が求められています。
日本のデータセンターの現状
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの調査によると、2022年末時点で東京都市圏のデータセンターの総消費電力は865兆ワットに達しました。これはアジア太平洋地域でトップクラスの消費電力であり、今後3-5年で1970兆ワットに達する見込みです。ソニー、パナソニック、富士通などのICT企業が集まるこの地域では、エネルギー効率が改善されなければ、ビジネスの持続可能性が危ぶまれています。
液体冷却技術の導入
急激に増加する計算力に応じて、日本のデータセンター業界では、液体冷却技術の導入が進んでいます。この技術は、従来の冷却手法よりも高い効率性を提供するため、業界全体に革新をもたらす可能性があります。特に、日本、中国、韓国においては、液体冷却技術が急成長しています。
ブルー・オーシャンの取り組み
12月、中国の液体冷却ソリューションプロバイダーであるブルー・オーシャンが、チャイナ・ユニコムのために移動可能な高密度グリーンデータセンターを設置しました。このデータセンターは河北省に位置し、液浸冷却技術を使用して安定した動作を実現しています。ブルー・オーシャンの本社は浙江省寧波市にあり、研究開発チームには多くの有名な学者や技術者が在籍しています。
液浸冷却技術の要素
ブルー・オーシャンが開発した液浸冷却式コンテナ型データセンターは、柔軟な拡張性や高い安全性を持ち、様々な応用に対応しています。この技術には、次のような主要な革新点があります。
1.
BOシリーズ液冷作動流体:この液体は、高い伝熱性能と長寿命を誇るため、冷却システムの安定性が保たれます。
2.
革新的な設計と高統合密度:モジュール化された設計により、設置が迅速で高密度配置が可能です。
3.
コスト削減とエネルギー効率:このシステムは、電力消費を大幅に削減し、運営コストの低下をもたらします。
世界への影響
ブルー・オーシャンの成功事例は、日本を含む世界中の通信キャリアにとって新しいフレームワークやビジネスモデルとなる可能性があります。今後、同社は日本の液冷式エネルギー貯蔵産業への参入を計画しており、国内の需要に応じた技術開発が期待されます。これにより、高集積かつ高エネルギー効率のソリューションが実現するでしょう。
未来への展望
液体冷却技術は、データセンター業界の未来を拓く重要な要素と見なされています。ブルー・オーシャンの取り組みは、その象徴であり、技術革新が新たな市場を創出することが期待されています。日本でもこの流れが進展する中、我々はその動向から目が離せません。