株式会社Medii(メディ)は、難病に分類される強直性脊椎炎(AS)と脊椎関節炎(SpA)の早期診断や適切な治療を促進する目的で、日本AS友の会との連携をスタートしました。この病気は、脊椎や骨盤を中心に、股関節や膝、肩など大きな関節に炎症を引き起こし、痛みやこわばりを伴う自己免疫疾患です。
多くの場合、ASは若年層に多く見られ、初期の診断では悪化と寛解を繰り返すため、一般的な腰痛と誤解されることも頻繁にあります。そのため診断が遅れ、平均して約10年もかかることがあるのです。この遅延した診断により、病気が進行し強直(骨同士が固まること)が発生することで、日常生活が困難になる場合があります。そのため、早期に正確な診断と治療を受けることが重要です。
Mediiは、『誰も取り残さない医療を』という使命のもと、難病や希少がん領域における医療の質を向上させるため、希少疾患に特化したオンライン講座「E-コンサル」を提供しています。このサービスでは、専門医が少ない領域での診断や治療の最適化を図ることが可能です。
日本AS友の会は、AS及びその関連疾患で苦しむ患者のためのサポートを行う団体で、情報共有や患者同士の交流、全国的な調査活動を通じて病気への理解を深めています。今回の連携は、日本脊椎関節炎学会とファイザーによる医学教育プロジェクトにも採択されたもので、効果的な診療と教育ネットワークの構築を目指しています。
Mediiと日本AS友の会は、ASとSpAに特化したエキスパート医師チームを設置し、主治医の判断が難しい際にE-コンサル経由で相談を行える環境を整えます。これにより、患者一人ひとりのニーズに応じた解決策を提示し、早期の診断と治療を促進することを目指します。また、今後は医師向けのセミナーを共同で開催し、最新の知識を共有する予定です。
井上久医師(順天堂大学)は、ASの初期症状は特定が難しいと指摘し、診断の際には他の疾患との鑑別を意識することが重要だと強調しています。診断が遅れたり、治療反応に問題が生じたりすると、適切な治療が受けられないリスクが高まります。E-コンサルを通じた専門医の助言により、希望の光を見つけることができることを願っています。
また、日本AS友の会の塩野敬彦会長は、多くの患者が痛みを抱えたまま何年も過ごし、やっと強直性脊椎炎と診断される現状について言及しました。早期診断の重要性を強調し、主治医が専門医に相談することによって診断期間が短縮され、多くの患者が適切な治療を受けられる環境作りが急務だと述べています。
Mediiは、患者と医師がより良く繋がり、安心して治療を受けられる環境を整えることに尽力しています。E-コンサルの詳細や、Mediiについての情報は、公式ウェブサイトでご確認いただけます。