障害者のキャリアアップ希望と職場環境の課題: パーソルダイバース調査報告

障害者のキャリアアップ支援に向けた調査結果

パーソルダイバース株式会社が実施した調査によって、障害者の就業に対する意識や課題が浮き彫りになりました。障害者雇用の拡大が進む中、彼らはどのような働き方を望んでいるのでしょうか。本記事では、調査結果を詳しくみていきます。

調査の背景

パーソルグループに所属するパーソルダイバースが実施したこの調査は、障害者が持つ就業意識やキャリア形成においてのニーズを探索することを目的としており、特に「合理的配慮」の提供状況に焦点を当てています。調査の結果、障害者の約67万人が働いている現状を踏まえ、彼らが直面する課題が数多く存在することが明らかになりました。

はたらく障害者の意識

調査によれば、障害者の約4割が「仕事を通じて成長やキャリアアップを望んでいる」との結果が示されました。この「成長・活躍志向」は、安定した職に留まりたいと考える「安定・定着志向」をわずかに上回り、多様なはたらくスタイルが存在することが伺えます。また、定型業務をこなしながらも、自分の工夫を反映させる「バランス志向」の回答もあり、障害者のはたらく価値観には多岐にわたる志向が見られます。

合理的配慮の実態

職場で提供される合理的配慮に関する調査では、主に受け入れ体制（上司や同僚からのサポートや就業環境の配慮など）が重視されていることが明らかになりました。しかし、具体的な業務指示の方法に関する配慮が少ないとの結果もあり、業務面での支援が十分に行き渡っていない現状が指摘されています。特に「キャリア形成に関する配慮」は7.5%と少数で、これは今後の大きな課題として浮上しています。

課題と今後の展望

調査で分かったように、現在の合理的配慮と今後の希望との間には大きなギャップが存在します。「キャリア形成に関する配慮」では、20.6ポイントの差が見られ、障害者が求める支持に対する職場の対応は後れを取っています。この課題に対して、パーソルダイバースは今後も就業支援やキャリアサポートに注力し、より良い雇用環境を作っていくとしています。