大阪府豊中市における新たな取り組み
大阪府豊中市で行われる「こどもデータ連携実証事業」に、株式会社両備システムズが提供するデータ連携プラットフォーム「こどもの杜」が導入されることとなりました。このプロジェクトは、子どもや家庭に関する情報の適正管理を前提に、福祉・教育・保健などの分野で情報を共有しながら、支援が必要な家庭や子どもを早期に発見することを目指しています。
こども家庭庁の背景
こどもに関する様々な施策は、こども家庭庁を中心に進められてきましたが、依然として貧困や虐待、不登校、いじめなど問題を抱える子どもたちが存在しています。彼らがSOSを発することが難しい状況を受け、プッシュ型及びアウトリーチ型支援の重要性が叫ばれています。これにより、対象者に必要な支援を積極的に届ける仕組みが必要とされています。
豊中市の支援体制
豊中市では、児童福祉や母子保健の各機関が連携し、多様な支援を行ってきました。子どもの育ちに関する情報を迅速に収集・分析できる体制が整備されており、近年は児童相談所への通告の一元化を進めています。このような背景の中で、両備システムズのシステム「こどもの杜」が実証事業に選択されたことは、市が目指す積極的で予防的な支援への重要な一歩です。
実証事業の詳細
この実証事業は2025年7月から2026年3月までの期間に実施されます。具体的な内容としては、データ連携によって支援が必要な子どもや家庭を早期に把握するためのデータ項目の選定、個人情報の取り扱いの整理などがあります。
1.
データ項目の選定と整理
事業内での役割を明確にし、必要なデータ項目を選定します。
2.
早期把握のためのデータ連携
リスクや支援が必要な子どもや家庭を把握するために、連携するデータ項目を整理します。
3.
支援方策の検討
データから抽出された情報を元に、実際に支援が必要な家庭を確認し、適切な支援策を考えます。
4.
システム連携の強化
現行の家庭児童相談システムとの連携を密にすることで、問題の深刻化を事前に防ぐ体制が構築されます。
今後の展望
両備システムズは、この実証結果を受け、さらなる機能強化を図り、将来的には全国の自治体への展開を目的としています。こども家庭庁が策定した「はじめの100か月育ちビジョン」に基づき、地域密着型の支援を進めることで、住民に寄り添うシステムを提供していく所存です。この取り組みにより、子どもや家庭のニーズに応えるためのデジタルプラットフォームの構築が期待されます。
豊中市とは
豊中市は大阪府北部に位置し、36.6km²の面積に約40万人が住む中核都市です。教育や福祉が充実したこの地域は「と、ともに、とよなか」をブランドメッセージに、市民の多様な暮らしを支援しています。地域の特性を生かした「こどもデータ連携実証事業」は、今後の子ども支援に大きく貢献するでしょう。
参考リンク
今回の取り組みを通じて、「こどもに関するデータ連携プラットフォーム」が持つ可能性は非常に大きく、今後の動向に注目が集まります。