物流業界の進化を加速する NVIDIA アクセラレーテッド コンピューティング
Eコマース市場の拡大に伴い、物流業界はますます高度化し、自動化へのニーズが高まっています。その中で注目を集めているのが、ラピュタロボティクスが開発した自在型自動倉庫「ラピュタ ASRS」です。
ラピュタロボティクスは、独自のクラウドロボティクスプラットフォーム「rapyuta.io」を活用し、物流ロボットの開発、導入、運用支援を行っている注目のスタートアップ企業です。同社は、多数のロボットを効率的に制御する「群制御」テクノロジーを強みとしており、「ラピュタ ASRS」は、その技術力を結集した革新的な自動倉庫システムです。
NVIDIA Jetson が実現するロボットの知能化
「ラピュタ ASRS」には、小型薄型のロボットが搭載されており、倉庫内を自律的に移動して荷物を搬送します。このロボットには、前後左右にカメラが搭載され、周囲の環境を認識し、障害物を回避しながら走行しています。
従来は、ロボットの処理能力が不足していたため、カメラ画像をリアルタイムに処理することができませんでした。しかし、NVIDIA Jetson Orin Nano モジュールを導入したことで、カメラ画像のエッジ AI 処理が可能となり、ロボットの知能化が飛躍的に進みました。
NVIDIA TensorRT による高速化
ロボットは、カメラで取得した画像データを NVIDIA TensorRT を使用して処理しています。TensorRT は、ディープニューラルネットワークの学習済みモデルを実行する際に、GPU の種類に合わせてモデルを最適化し、推論時間を大幅に短縮することができます。
作業者の安全と効率性を向上させる NVIDIA の技術
「ラピュタ ASRS」では、作業者の安全確保にも NVIDIA の技術が活用されています。ステレオカメラと NVIDIA のオープンソース「trt_pose」リポジトリに基づく姿勢推定 AI モデルを搭載した NVIDIA Jetson Orin NX を使用することで、自動倉庫内でのロボットによる搬送が安全かつ正しく行われているかどうかをチェックしています。
また、ピッキングステーションでは、作業者の生産性を支援するために AI が活用されています。ロボットがビンを運んできますので、作業者はほとんど歩く必要がありません。複数のロボットを待機させることで、作業者のピック待ち時間をゼロにできます。
NVIDIA のアクセラレーテッドコンピューティングがもたらす未来
ラピュタロボティクスは、「ラピュタ ASRS」に NVIDIA Jetson を搭載し、NVIDIA Isaac ロボットプラットフォームなどの NVIDIA アクセラレーテッドコンピューティングを採用しました。これは、顧客の要求に応えるために、より高性能な自動倉庫システムを実現するためです。
今後、ラピュタロボティクスは、NVIDIA の技術を活用し、物流倉庫の全体最適化を目指していきます。自動倉庫、自律移動ロボット、自動フォークリフトなど、様々なマテハン機器を連携させ、物流効率を飛躍的に向上させるソリューションを提供していく予定です。
まとめ
ラピュタロボティクスの「ラピュタ ASRS」は、NVIDIA アクセラレーテッドコンピューティングの導入により、大幅な高速化と高機能化を実現しました。AI 技術を活用したロボットの知能化、作業者の安全確保、生産性向上など、物流業界の進化を加速する革新的な自動倉庫システムです。今後、NVIDIA の技術をさらに活用することで、物流業界のデジタルトランスフォーメーションを牽引していくことが期待されます。