人的資本開示の基準
2024-08-20 07:32:11

生成AIと人間の共同調査が明らかにした人的資本開示の新たな基準

生成AIとコンサルタントによる人的資本開示調査



2024年7月、上場企業4,000社の人的資本に関する情報が、Chat GPTを用いたAIとコンサルタントの人間が共同で調査した結果が報告されました。この調査は、企業の開示スコアを明らかにし、その内容を深く分析することを目的としています。前回のレポートでは日経225銘柄に選ばれた企業の動向について総括しましたが、今回のレポートではさらに深堀りした内容をお届けします。

最高評価の6社とは



AIと人間の評価が一致した6社は、東急不動産HD、旭化成、日立製作所、日本航空、東京電力HD、NTTデータグループです。これらの企業は、人的資本開示において「具体性」、「戦略との連動性」、「独自性」の3つの要素において特に優れていることで高い評価を受けています。

1. 具体性の重要性



具体性は、企業がどのような人材を、いつまでに、どのような体制や方法で育成・確保するかを明確に示すことが求められます。多くの企業が、人事施策について内容の概略のみを記載している中、評価された6社は、その内容に加え背景や目的を詳しく述べています。たとえば、旭化成では新規事業創出に向けたプロフェッショナル人財の育成を、NTTデータグループではコンサル人財の強化に関する取り組みを、しっかりと説明しています。

2. 戦略との連動性



人的資本施策が具体的であっても、企業の成長戦略との関連性が不明確であれば価値を十分に伝えられません。日立製作所は、有価証券報告書内で経営戦略と人材戦略の連関を示す図を掲載し、戦略間のつながりを可視化しました。これにより、企業全体での人的資本の重要性を強調しています。同様に、東急不動産HDも、経営戦略と人材戦略を関連付ける努力をしていることが伺えます。

3. 独自性の追求



取り上げられた企業は、いずれも独特のKPIを設定し、自社の特性に基づいた人事施策を展開しています。たとえば、東急不動産HDは独自のKPIとして社内ベンチャー制度による事業化件数を掲げ、日立製作所は外国人比率を役員層において重要視しています。このように、各社は自社戦略に応じた指標を頼りに、他社との差別化を図っています。

他社との違いと共通の課題



調査によると、多くの企業は法定開示の枠を超えて内容を詳しく記載しているわけではありません。AIと人間が高評価を付けた企業とそうでない企業の差異は、前述のような具体性や戦略との関連性に大きく依存しています。有価証券報告書の性質上、情報量の制約がある中でも、企業は経営との関連を一目で理解できる形で伝える努力が必要です。

まとめ



最後に、人的資本開示に関する本調査を通じて、具体的な施策の開示と戦略との整合性が企業評価に直結することが示されました。今後、ますます多くの企業が自社の成長のために、さらなる人的資本経営の推進に向けて努力することが求められます。これにより、企業の透明性が高まり、投資家からの信頼も得られることでしょう。

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著者情報:山岡慎治(J.P.コンサルティング株式会社 シニアコンサルタント)

SNSマーケティング会社での経営管理業務を経て、現在は人事コンサルタントとして勤務。生成AIの活用による業務効率化にも注力しています。


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