死を自然に還す新たな選択肢、循環葬®︎
日本初の試みとして、大阪・能勢妙見山で新しい葬送スタイル「循環葬®︎」が始まりました。このサービスは、故人を墓標も残さず森の土に埋蔵することで、自然との調和と持続可能な森林保全を目指しています。特に、2040年には日本の年間死亡者数が160万人を超えると予測されてくる中、ようやくこのサービスが提案されています。
循環葬®︎「RETURN TO NATURE」とは?
循環葬®︎は、故人の遺骸を土に還しやすく加工し、埋葬する方法を取ります。このプロセスを通じて、自然と人間の関係性を再考し、エコシステムの一部として生きた証を残すことができます。さらに、得られた収益の一部は二次的に森林保全活動に寄付され、より多くの森が守られるという循環が生まれます。
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RETURN TO NATURE
このように、循環葬はただ葬送を行うのではなく、未来の自然環境を守るための新たな寄与ともなります。
能勢妙見山の思い
能勢妙見山の副住職、植田観肇氏はこのサービスについて「我々は一万年前から続くブナ林を大切に育ててきました。この循環葬は、自然との共存を実現する一助となります」と述べています。人が死後に安らぎを感じることで、もっと意味のある生を送れるようになることも、このサービスの大切な目的です。
環境に配慮した埋葬法の意義
この埋葬方法の監修を務めるのは、神戸大学の鈴木武志助教です。彼は土壌学と肥料学を専門とし、廃棄物を用いた土壌や肥料の開発に努めています。特に循環葬においては、遺骨の自然への適応性を高める方法論を研究し、その成果として実績を上げています。
「at FOREST」のビジョン
この画期的なサービスは、at FOREST株式会社の代表取締役小池友紀氏が主導しています。彼女は15年間コピーライターとしてのキャリアを積んだ後、ご両親の改葬と仕事の先輩の死を通じて「日本の死の現状」に向き合わせられました。そこで、循環葬のアイデアを生み出し、2022年にこのサービスのプロジェクトを立ち上げました。
循環葬がもたらす未来
「死」という避けられない現実を前に、どのように生きるかを考える機会を提供することも、循環葬の目的の一つです。これは単なる葬送の形ではなく、未来の森林保全活動への貢献ともなります。
このように、循環葬は自然との調和を実現し、持続可能な社会を築くための貴重な取り組みとして、多くの人々に支持されることでしょう。