フレイル予防の新たな挑戦
株式会社アイスリーメディカルによる「遠隔デジタルケアによるフレイル改善プログラム」が、2024年度のNEDO SBIR推進プログラムに採択されました。この取り組みは、超高齢社会が抱える医療費や介護費の問題に対処し、特に自宅でのフレイル改善を目指しています。
超高齢社会におけるフレイルの現状
現在、日本は超高齢社会に突入しています。2025年には医療費と介護費の合計が67兆円に達し、2040年までに100兆円を超えると予想されています。そのため、フレイル状態の予防と改善には特に力を入れる必要があります。フレイルとは、体の機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を指しますが、その改善には運動機能の評価が不可欠です。
しかし、従来は医療機関で専門家のもとで評価を行う必要があり、多くの高齢者にとって通院は大きな負担となっています。これを解消しつつ、医療費と介護費の負担を軽減するためには、自宅でできるフレイル改善支援のニーズが高まっています。
NEDOのSBIR推進プログラムとは?
このプログラムは、NEDOが主導するものであり、研究開発型のスタートアップに対して助成が行われるものです。今回アイスリーメディカルは、在宅での運動機能評価と運動プログラムを実施できる技術の開発に取り組むことになります。この新しいアプローチにより利用者は医療機関へ移動することなく、自宅で医療のクオリティを維持できるようになります。
スマリハPRO:次世代のフレイル改善プログラム
株式会社アイスリーメディカルは、「スマリハPRO」というオンラインリハビリ・運動療法プログラムを導入しています。このシステムは、最新のテクノロジーと専門家によるヘルスコーチングを組み合わせたもので、多くの方の高血糖改善を実現しています。自宅で完結できるため、参加者は継続しやすく、短期間で成果を上げることが可能です。
スライド式のセンサー指導や、食事、生活習慣のアドバイスも取り入れたこのプログラムは、特に高齢者やその家族にとって重宝されることでしょう。実際、参加者はわずか3ヶ月でHbA1cを平均0.94%下げるなど、確かな効果が出ています。
全国的な導入事例
このプログラムは、NTT健康保険組合や東京ドーム、ニコンなど多くの企業の健康保険組合に導入されています。このように、フレイル改善のための技術が広まることで、より多くの高齢者が健康的に自立した生活を送る手助けができるのです。
未来への展望
アイスリーメディカルは、今後もフレイル改善に貢献する技術の開発を続けていく予定です。注目すべきは、NEDOが支援することで、研究が進展し、より多くの高齢者やその家族の生活に寄与することができる点です。
私たちが目指すのは、遠隔医療を通じて高齢者の自立支援や介護者の負担軽減を実現することです。将来的には、フレイル予防と改善において、オンラインリハビリ・運動療法が当たり前になることを期待しています。
同社はさらに今後、様々な疾患でのリハビリを行うことを目指し、さらに多くの医療現場で実績を上げることを計画しています。フレイル改善プログラムの進化に期待が高まります。