日本材料技研株式会社は2023年10月、新たにTi3C2 MXeneの水分散液のサンプル販売を開始した。この新しい製品は、分散液として水中に分散されたMXeneを提供し、以前に販売していた多層MXene粉末とは異なる特性を持っている。
MXeneとは、米国ドレクセル大学で発明された二次元層状化合物の一種で、異方性を持つナノシート形状の材料である。その中でも、Ti3C2 MXeneは特に優れた導電性と分散性を示し、さまざまな産業分野での利用が期待されている。日本材料技研はこのTi3C2 MXeneの工業的生産に力を入れ、革新的な応用の実現を目指している。
今回の販売開始により、Ti3C2 MXeneの剥離水分散液が新たに登場したことで、これまでの粉末状製品に比べて大幅な利便性向上が見込まれている。特に、当社が開発した透明電極の形成には高温処理が不要であり、塗布プロセスを通じて容易に適用できるという点で、業界に新風を吹き込む可能性がある。
透明電極の利用例として、光センサ(有機フォトダイオード)の実績がすでに複数あり、これからの電子デバイスにおいてはさらに多くのアプリケーションが期待される。Ti3C2 MXeneを用いた電極は、その高い柔軟性と優れた電子物性により、電子輸送層として非常に有用であり、今後の研究開発が待たれる。
日本材料技研株式会社はこの新製品の開発にあたり、公益財団法人東京都中小企業振興公社の助成事業を部分的に活用している。この助成により、新しい材料の開発が加速され、より多くの技術革新が実現されることが期待されている。
Ti3C2 MXeneの水分散液に関して詳しい情報を得たい方は、日本材料技研の公式ウェブサイトを訪れ、問い合わせフォームを通じて手続きを進めることができる。企業として、同社は大学との共同研究も行い、最新技術の開発に力を入れている。
このように、Ti3C2 MXeneの水分散液は、今後の電子技術の進展に寄与する新たな材料としての可能性を秘めており、日本材料技研はその先駆けとなることを目指している。