社会問題という新たな視点を学ぶ機会
2023年秋、クラーク記念国際高等学校 横浜キャンパスでは、学生たちに社会問題についての理解を深めてもらうため、株式会社Ridilover(以下リディラバ)の協力による「SDGs/社会問題スタディツアー」が実施されました。このプログラムは、社会での通用力を育むことを目指す同校の取り組みの一環として実施されました。生徒たちは食品ロス、出所者支援、若者の居場所づくりという3つのテーマに分かれ、実際の現場を訪れることで実体験を通じて学びました。
導入の背景
クラーク記念国際高等学校は、生徒一人ひとりの学びのスタイルやペースに合わせた教育を提供することで知られています。これまでにも、SDGsをテーマにした教育を取り入れていましたが、教室の外で実際の問題を体験し、課題解決に向き合うことで、自らの意見や考えを深めていくことを狙っています。このような思いから、リディラバとの共同改革が実現に至ったのです。
スタディツアーの内容
当日は、東京近郊で約30のツアーから選ばれた3つのテーマに基づいて、数多くの学びの機会が提供されました。生徒たちは、支援団体や企業から具体的な話を伺うだけでなく、実際に施設や工場を見学し、普段は目にすることのない社会問題のリアリティを体感しました。
食品ロス
食品ロスに関するツアーでは、無駄に捨てられる食品がどのようにリサイクルや再利用されるかの仕組みを学びました。生徒たちは、食品ロスの現状に対する理解を深め、自分たちが日常生活から意識して取り組むべきことを考える機会が得られました。実際の工場見学を通じて、「家や飲食店で食品を残さずに食べることへの意識を高めていこう」と誓った生徒も多かったようです。
出所者支援
出所者支援のツアーでは、出所者が直面する現実と、再犯を防ぎ社会に復帰するための支援がどのようになされているのかを学びました。視野を広げることができ、多くの生徒が「普段は気づかない問題について考える貴重な機会だった」と感想を述べました。
若者の居場所づくり
若者の居場所づくりに関するツアーは、参加生徒にとって特に心に響く体験となりました。若者支援の最前線で活動している団体から直接話を聞き、実際の現場を訪れることで、本当に抱えている悩みやニーズを理解できる機会となったのです。生徒たちは、もし将来仕事を失っても、居場所があることを心強く感じたという声が多く寄せられました。
学びの成果
ツアーを通じて、生徒たちは社会問題に対する理解を深め、自分自身の視点を広げることができました。実際の体験を通じて、「ただの学びではなく、自らの問題として捉えることができた」という意見が多く聞かれました。教室や本だけでは学べないリアルな社会問題に向き合うことで、彼らが未来の社会にどのように貢献できるかを考える大きなきっかけとなったのです。
リディラバは今後も、多くの学校に対して社会問題に関心を持たせる機会を提供していく予定です。学ぶことから始まり、行動に移すことの重要性をあらためて感じられたスタディツアーでした。さらに、参加者からのフィードバックを受けて、今後のスタディツアーのレベルアップを図っていくことが求められます。