2023年5月23日、東京の総理官邸で、日本医師会の松本吉郎会長が石破茂内閣総理大臣に直面し、国民医療を守るための危機的な状況について訴えました。この会合には、国民医療を守る議員の会顧問の田村憲久衆議院議員、会長代行の武見敬三参議院議員、事務総長の古川俊治参議院議員も同席し、政府に対する要望を強調しました。
松本会長が訴えたのは、医療の現場が今まさに深刻な危機に直面しているという現実です。国民医療を守る議員の会は、5月14日に取りまとめた決議に基づいて、医療環境の改善と国の財政制度の見直しを求めた内容を提言しています。この決議は、日本医師会が提案した4つの主張に基づき採択されたものです。
医療支援の要請内容
1.
経済成長の果実を医療に活用すること
- 資金の流れを見直し、経済の成長を患者へのサービス向上に結びつける。
2.
社会保障予算の見直し
- 高齢化社会に対する施策が現実の医療現場に即しているかどうか、政府として検討を進めるべき。
3.
診療報酬の適切な見直し
- 昨今の賃金や物価の上昇に併せて、公定価格の見直しが必要だ。
4.
小児医療と周産期医療体制の強化
- 次世代の医療保証を実現するため、具体策を検討する必要がある。
このような提案に対し、石破総理は真摯に受け止め、熟慮する意向を示しました。これは、政府が医学と福祉の持続可能な未来を見据えた取り組みを進めることが求められている表れです。
直面する現場の実態
日本医師会は、要望を行った同日、プレスリリースを発表し、医療現場の厳しい状況を再確認しています。「ある日突然、病院がなくなる」といった事態が現実味を帯び始めていると警告しています。例えば、兵庫県の伊丹市にある地域医療支援病院が年度内の診療休止を検討しているとの報道もあり、深刻さは増すばかりです。一刻も早い行動が求められています。
私たちが置かれている医療環境は、とても厳しいものです。それゆえ、医療従事者も国民も、現状を理解し、共に考え、行動する時期が来ています。政府、医療機関、国民が一体となってこの問題に対処しなければ、医療崩壊が現実になりかねません。
日本医師会の使命
日本医師会は、全国47都道府県における医師の専門団体であり、「医道の高揚、医学及び医術の発達並びに公衆衛生の向上を図る」という使命を持っています。医師の生涯研修や地域医療の推進、保険医療の充実に関する様々な活動を行っており、今後も注目される組織です。
この情勢がどのように進展していくのか、引き続き注視していく必要があります。医療は、私たちにとって生命に直結する重要なテーマです。各々が考えるべき時です。この問題に対して具体的な解決策を見出すために、私たち国民一人ひとりも積極的に意見を発信していきましょう。