パリオリンピック、サイバー攻撃のリスク増加!ウィズセキュアが警鐘を鳴らす
2024年、パリで開催されるオリンピック。世界中の人々が注目するこの一大イベントは、サイバー攻撃の標的にされやすい側面も持ち合わせています。サイバーセキュリティ企業のウィズセキュアは、最新のレポート『Olympics – Cyber Threats to Paris 2024』で、パリオリンピック期間中のサイバー攻撃リスクについて警鐘を鳴らしています。
レポートでは、ロシア、中国、イラン、北朝鮮といった国の国家ハッカーや、ハクティビスト、サイバー犯罪集団など、さまざまな脅威アクターが、オリンピックを狙った攻撃を仕掛けてくる可能性があると指摘されています。
具体的な攻撃方法としては、格安チケット販売や無料ツアー当選の通知を装った詐欺、大会組織委員会やスポンサー企業を標的とした攻撃、オリンピック関連のウェブサイトへの不正アクセスなどが挙げられます。また、政治的なメッセージの発信や、中継ネットワークへのサイバー攻撃を通じて、オリンピックの運営を妨害しようとする動きも懸念されています。
ウィズセキュアの脅威インテリジェンス部門責任者であるTim West氏は、パリ五輪でのサイバー攻撃について、「地政学的な混乱に加え、ロシアとの関係悪化により、これまでのオリンピック以上に悪質なサイバー活動のリスクが高まっている」と懸念を表明しています。
特に、親ロシアを掲げるハクティビストグループが、オリンピックの開催を妨害しようと試みる可能性は高いとされています。West氏は、これらのグループによる脅威レベルを中程度と評価しています。
オリンピック開催国にとって、大会の成功は国家の威信に関わる問題です。サイバー攻撃によって大会が混乱すれば、その国のイメージは大きく損なわれてしまうでしょう。これが、一部の国家ハッカーにとって攻撃の動機となっていると考えられています。
ウィズセキュアは、パリオリンピックの情報システム管理者が、サイバー攻撃への防御体制を強化していることを認めています。しかし、攻撃者側も常に新しい手口を開発しており、油断は禁物です。
ウィズセキュアは、企業や個人に対して、セキュリティ対策の強化を呼びかけています。特に、不審なメールやウェブサイトへのアクセスには十分注意し、最新のセキュリティソフトを導入することが重要です。また、セキュリティに関する情報収集や、情報共有を積極的に行うことも有効です。
パリオリンピックは、スポーツの祭典であると同時に、サイバーセキュリティの戦場でもあります。ウィズセキュアの警告を真摯に受け止め、安全な大会となるよう、万全の対策を講じる必要があります。