北海道で新たな林業教育の取り組み
北海道の十勝郡浦幌町に本社を構えるフォレストデジタル株式会社が、新しい形の林業教育を提案しています。空間VR技術を駆使した授業が、2023年9月18日に幕別清陵高校で行われることが決まりました。このプロジェクトは、北海道庁と共同で開催され、林業の担い手不足を解消するための一環として位置付けられています。
VR技術「うらら」の特徴と教育のメリット
参加する高校の生徒たちは、ヘッドマウントディスプレイ不要で没入型の林業体験を楽しむことができます。これは、空間型VR「uralaa(うらら)」によるもので、視覚、聴覚、嗅覚を駆使してあたかも実際に森林の中にいるかのような体験が可能です。この技術は2022年にリリースされ、様々な分野での事業展開を続けています。教育現場においては、学生たちが通常感じることのできない一次産業の魅力を実際に体感できる貴重な機会となります。
授業の具体的内容
この授業には、高校2年生約100名が参加し、まず林業の概要についての紹介が行われます。その後、空間VRを通じて林業の現場を体験し、北海道浦幌町の林業家による仕事の様子を360度撮影した映像が投影されます。生徒たちは、チェンソーやその他の機材に触れながら、林業のダイナミックで迫力ある仕事について深く理解することができます。
目的と期待される効果
この授業は、林業の現場に接する機会が少ない高校生に対して、林業という職業への理解を深めることを目指しています。さらに、実際に林業現場に行くプログラムも用意されており、学生たちに就業者としての道を考える機会を提供します。授業の後にはアンケートを実施し、生徒たちの林業に対する興味や理解の変化を調べる予定です。
背景にある課題
日本は全国的に林業従事者が不足しており、特に北海道では人口減少と共に林業の担い手育成が喫緊の課題となっています。国立研究開発法人 森林研究・整備機構も、林業は地球環境や生態系維持において重要な役割を果たしていることを指摘。それゆえ、若い世代に林業の魅力を伝える必要があるのです。
今後の展開
本プロジェクトの成功を受け、今後は北海道内の他の高校への展開も視野に入れています。これにより、各地で若者たちが林業に興味を持ち、担い手としての道を選ぶことを促進していくと期待されています。林業という職業の魅力を再発見することで、次世代の担い手となる意識が高まることを願ってやみません。
空間VRを利用したこの独自の取組が、今後の林業界の発展及び持続可能な森林づくりに寄与することを期待しています。