うどんこ病菌の新評価法
2025-04-22 17:36:26

静電気技術でうどんこ病菌の農薬耐性評価を実現

静電気技術でうどんこ病菌の農薬耐性評価を実現



近畿大学農学部の研究チームが、植物病原菌「うどんこ病菌」についての画期的な研究結果を発表しました。この研究は、特にメロンうどんこ病菌に焦点を当て、静電気技術を活用して市販の農薬に対する耐性を評価する手法を確立しました。これにより、農薬耐性を示すうどんこ病菌の新しい評価方法が世界で初めて明らかにされました。

研究の背景


うどんこ病は、農作物や樹木、雑草など多岐にわたる植物に影響を及ぼす重大な植物病害とされています。この病気が発症すると、植物には白い斑点が現れ、果実の品質や収量に深刻な影響を与えます。これまで、うどんこ病の防除には農薬が用いられてきましたが、その一方で農薬に耐性を持つ菌が増加していることが問題視されています。そのため、農薬の耐性を迅速かつ簡便に評価する方法が求められていました。

静電気技術の導入


研究チームは、ウリ科植物に感染するメロンうどんこ病菌に着目しました。彼らは、37種類の市販農薬を用いて耐性評価を行い、その結果、4種類の農薬に対してメロンうどんこ病菌が強い耐性を持つことを突き止めました。

具体的には、研究者たちが特定の農薬を散布後、静電気技術によりメロンうどんこの胞子を取得し、胞子の発芽率を測定しました。その結果、農薬により胞子の発芽率が20%以上であったことが確認され、耐性の強い菌株に関する重要な情報を得ることができました。この方法は、簡便で迅速な農薬耐性の評価手法として、今後の農業に革新をもたらすと期待されています。

これまでの研究と新たな発見


研究グループはこれまで、メロンうどんこ病菌の分類や形態的特徴に関する先行研究を行ってきました。今回は一歩進んで、静電気を利用した新しい評価方法で農薬に対する耐性の樹立を確認しました。この発見は、うどんこ病菌による感染の拡大を抑制するための戦略を考える上でも非常に重要です。

研究者の見解


研究を牽引した野々村照雄教授は、「うどんこ病は私たちの身近な植物病害です。農薬に頼るだけでなく、新たな防除法を開発する必要があります。今後は、農薬耐性を示す遺伝子解析を進め、さらに効果的な対策を考えていきたい」と語ります。

今後の展望


うどんこ病菌の胞子が感染の起点となるため、病気の初期段階での防除が重要です。研究チームは将来的に、不同な植物に対する農薬耐性の評価にも静電気技術を応用し、より包括的な研究を行う計画です。

本研究は、農薬耐性の評価法の確立に貢献し、持続可能な農業の構築に向けた一位のアプローチとして注目されています。

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