千葉県習志野市、旧習志野文化ホールのデジタルジオラマ制作
習志野市の文化の表現の場である「旧習志野文化ホール」といえば、1978年の開館以来、郷土の文化を支える貴重な存在でした。市民たちに親しまれ、優れた音響設備や大規模な施設が特徴的でしたが、2023年3月31日に建て替えのため休館しました。この文化ホールの素晴らしい姿を未来に残そうと、今、デジタルジオラマ化のプロジェクトが進行中です。
プロジェクトの概要
文化ホールのデジタルアーカイブを目的としたこのプロジェクトは、民間の専門家たちの協力によって実現しました。特に3Dレーザースキャナーやドローン、高解像カメラを使用することで、リアルな模型が完成しました。習志野市は、このデータをもとに「旧習志野文化ホール デジタルジオラマ」と題した動画を制作し、2023年9月30日から習志野市公式YouTubeチャンネルで公開予定です。
デジタルジオラマ制作の過程
今回のデジタルジオラマ制作のために、以下のようなプロセスが行われました:
1.
高密度の点群データ取得:地上型レーザースキャナーを用いて、ホール内部の詳細な点群データを取得。
2.
点群データのポリゴン化:取得した点群データを面データに変換し、建物の形状を忠実に再現。
3.
質感の追加:高解像度カメラで撮影した画像を合成し、より現実感のある質感を加える。この過程では、実に9000枚もの画像が使用されています。
4.
ジオラマ内ツアー動画の作成:最終的に完成したデジタルジオラマを基に、実際に内部を巡るツアー動画が制作されます。
プロジェクトに参加しているSky Oneの田中氏は、「正確な測量データに基づいているため、再建や保全作業、そして防災策にも活用できる。私たちは、歴史的な建物を次世代に引き継ぐ活動をしている」と語っています。
文化ホールの思い出
今後、新しい施設に生まれ変わる習志野文化ホールですが、この場所には数多くの思い出が詰まっています。特に市民に愛された大型パイプオルガンや、住民が語り継ぐ緞帳など、文化的な財産が数多く存在しました。
最近の動向と未来への期待
デジタルジオラマとして記録された旧習志野文化ホールのデータは、ただのアーカイブではなく、教育やエンターテイメントの資源としても利用される見込みです。私たちが住む地域のアイデンティティを育む要素として、このプロジェクトの意義は大きいといえるでしょう。
新しい文化ホールが建設されるにあたり、これからも習志野市の文化がますます盛り上がることを願ってやみません。ぜひ、デジタルジオラマの動画もご覧になり、過去の文化遺産を未来に繋げるこの試みに思いをはせてみてください。