福島県磐梯町における官民共創の取り組み
福島県磐梯町と株式会社Another worksの間で、官民共創および複業推進に向けた包括連携協定が結ばれました。この協定は、職員のスキルアップや新たな行政モデルの実現を目指す重要なステップです。Another worksは、複業を推進するプラットフォーム「複業クラウド」を運営しており、自治体と個人をつなぐマッチングを行っています。
公務員副業の解禁背景
2025年6月、総務省から発表された「地方公務員の兼業に関する通知」により、地方公務員の副業・兼業制度が見直され、営利企業での兼業も条件を満たせば許可されるようになりました。この改正は、人口減少や高齢化、さらに高度な行政課題に対処するための必然的な流れとして位置付けられています。これにより、公務員自身もキャリア形成やスキルアップを図る機会が生まれます。
Another worksの役割
Another worksは2019年の創業以来、日本全体で複業を推進する先駆けとなり、多くの個人や企業に対する支援を行ってきました。「複業クラウド」では、これまでに10万人以上が登録し、2,500社や250の自治体が導入しています。複業を通じて、新たなスキルや経験を積むことで、行政サービスの質向上にも寄与することが期待されています。
実証実験の目的
磐梯町での実証実験は、二つの目的に分かれています。第1に、職員が複業に取り組むことによる組織の改革を狙います。職員が「複業クラウド」に登録し、実際の複業経験を通じて新たな視点やスキルを獲得することで、職員のモチベーションやエンゲージメントを高めるとともに、離職防止につなげることを目指します。具体的な取り組みには、職員の登録促進や共同調査の実施が含まれます。
第2に、次世代型行政モデルの確立を目指しています。公務員と複業人材が対等な立場で協働し、地域課題に継続的に取り組む新しい官民共創モデルを「磐梯モデル」として発信することで、全国の自治体にその成果を広めていく予定です。
磐梯町の魅力
磐梯町は、会津盆地の東北部に位置し、美しい自然に囲まれた環境が魅力です。また、平安時代からの歴史的文化が息づく町としても知られています。名僧徳一によって築かれた慧日寺を含む地域の歴史的遺産や、美味しい日本酒や蕎麦など、観光資源が豊富です。
地方創生に向けて
「複業クラウド for Public」は、複業タレントと自治体職員が協力し、地方創生を実現するプロジェクトです。この取り組みにより、専門性の高い知見を地域行政に活かすことができ、自治体のDX推進計画や広報戦略の立案などにも寄与しています。
福島県磐梯町での官民共創の新たな取り組みは、今後の地方行政における重要なモデルケースとして期待されています。これを機に、より良い未来を手に入れるための挑戦が進んでいくことでしょう。