生成AI時代に必要なVR研究倫理:知識科学とメタバースの可能性
近年、生成AIの急速な発展に伴い、その倫理的・社会的影響への懸念が高まっています。特に、VR技術と生成AIを組み合わせたメタバース空間の普及は、新たな倫理的課題を提示しています。そうした中、VR研究倫理学会と北陸先端科学技術大学院大学は、知識科学の視点を取り入れたVR研究の重要性を訴えています。
VR研究倫理学会と北陸先端科学技術大学院大学の取り組み
一般財団法人VR研究倫理学会推進財団は、VR技術の責任ある研究開発とイノベーションの実現を目指し、様々な事業を展開しています。同財団のVR研究倫理学会と、国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学の永井由佳里理事・副学長(知識科学専攻)は、VR技術と知識科学を融合させた研究を進めています。永井理事は、美術大学出身という異色の経歴を持ち、デザイン創造的思考過程を研究。現在は、知識科学の教育・研究に携わる傍ら、大学全体の社会貢献という視点から大学運営にも貢献しています。
一方、VR研究倫理学会の瀬戸山晃一会長は、法哲学、生命(医療)倫理学、研究倫理学を専門とし、医科学技術の発展に伴う倫理的・法的・社会的課題(ELSI)の研究に取り組んでいます。
会長対談:メタバース時代の倫理と可能性
異なる専門分野の第一人者である両者は、メタバース空間上で対談を行いました。その内容は、研究の経歴と今後の展望、女性研究者の増加とキャリア支援、メタバース技術の倫理的・法的・社会的課題、そしてメタバースの可能性とVR自由研究など多岐に渡ります。特に、子どもや学生を対象としたVR自由研究は、次世代の研究者育成という観点からも注目されています。
知識科学の視点:知識創造と社会イノベーション
北陸先端科学技術大学院大学では、「知識とは何か」「知識はいかにして創造されるのか」という根源的な問いを追求する知識科学の研究・教育が行われています。この研究は、問題発見・解決能力やイノベーション創出能力を備えた人材育成を目指しています。人文学、社会科学、認知科学、情報科学、自然科学、システム科学など、様々な分野を融合することで、未来社会のデザインに貢献する人材を育成する体制が整えられています。
VR技術と倫理:未来社会への責任
VR技術は、教育や医療、エンターテイメントなど様々な分野で活用されていますが、同時にプライバシー侵害や情報操作といったリスクも存在します。そのため、VR技術の開発と利用においては、倫理的な配慮が不可欠です。VR研究倫理学会は、こうした課題に積極的に取り組み、安全で倫理的なVR技術の普及を目指しています。
まとめ:未来への展望
VR技術と生成AIの進化は、私たちの生活を大きく変える可能性を秘めています。しかし、その潜在的なリスクを理解し、適切な倫理的・法的枠組みを構築することが重要です。VR研究倫理学会と北陸先端科学技術大学院大学は、知識科学の視点を取り入れ、安全で持続可能な未来社会の実現に貢献していきます。メタバース対談の動画は、下記URLからご覧いただけます。
メタバース対談URL
一般財団法人VR研究倫理学会推進財団について
所在地:東京都千代田区二番町9-3 THE BASE麹町
代表者:代表理事 横松 繁
設立:2022年11月1日
URL:https://svre.jp
事業内容:VR技術の発展を目的とした、技術や倫理に関する研究、産業への応用、知的財産権支援、人材育成、ビジネス化促進など多岐にわたる事業を展開しています。VRIOアライアンスとして、一般社団法人VR革新機構、一般社団法人学術推進専門家協会とも連携しています。