桝屋高尾が贈る「ねん金綴錦」アップサイクルスーツ
日本の伝統美を重んじる京都の織屋・株式会社桝屋髙尾が、2024年9月に開催される「ミラノ・ファッションウィーク2025SS」において、完全アップサイクルスーツを初めて発表することが決まりました。このスーツは、桝屋髙尾が制作したオリジナルの「ねん金糸」を用いた残布から生まれたもので、環境への配慮と美しさを兼ね備えています。
「ねん金糸」とは
「ねん金糸」は、名古屋の徳川美術館からの依頼で生まれたもので、家康公の遺品となる「ねん金袱紗」を復元する過程で開発されました。この糸は、手引きの真綿に金の箔を巻きつけて作られ、金と絹の柔らかさと輝きが特徴です。その後、様々な色に染められた真綿が使用され、帯地「ねん金綴錦」として発展。桝屋髙尾の誇る独自の糸となりました。
アップサイクルの取り組み
桝屋髙尾は、2019年からSDGsの観点からこの「ねん金糸」を使ったアップサイクル商品の開発に取り組んでいます。この度のミラノコレクションへの出展は、完全アップサイクルのオーダーメイドスーツを展開する株式会社まるさんかくしかくとのコラボレーションによるものです。まるさんかくしかくは、廃棄される高級カーテン生地を利用してジャケットを制作したり、アップサイクルの重要性を広める活動をしています。
美の理念
桝屋髙尾の代表取締役、高尾朱子氏は伝統的な手仕事と現代のセンスを融合させた作品を展開しています。今回のミラノコレクションには、代表夫人オリジナルの紫地の着物や黒留袖が使用され、それぞれがスーツやタキシードとして生まれ変わります。ねん金糸の美しさが最大限に引き立つデザインが期待されています。
福井彩恵氏(まるさんかくしかく)は、ねん金糸の独特な風合いとその美しさに魅了され、コラボレーションが実現しました。光によって変化する色彩は日本文化の神秘的な精神性を感じさせます。彼女は「過度な生産と消費を見直したい」との思いから、環境に配慮したファッションを模索しています。
結び
京都の京都市に位置する桝屋高尾は、伝統工芸の技術を守りながら革新的な取り組みを続けています。2024年9月にミラノで行われるファッションウィークでの成果が、国内外の多くの人々に日本の美と環境への配慮を伝えることでしょう。この素晴らしい試みを通じて、日本の文化がさらに世界的に評価されることを期待しています。また、今回のミラノコレクションは、ただのファッションイベント以上の意義を持つ、伝統の再発見と新しい形の提案になることでしょう。