豊橋市での不審者対応訓練が実施される
愛知県豊橋市では、2024年8月に市職員を対象とした不審者対応訓練が行われました。この訓練は、最近発生した高浜市役所での刃物事件を受けて、職員の安全意識を高める目的で実施されたものです。事件では男性が刃物を振り回し、火をつけ、職員が負傷する事態が発生しました。このことから、豊橋市でも同様の事態が起こる可能性を考慮し、豊橋警察署と連携して訓練を行うことが決定されました。
訓練の進め方
訓練は、職員約50人を2つの班に分けて行われました。班ごとに不審者役と一般市民役を設定し、実際に市役所内で不審者による侵入を想定したシナリオが展開されました。訓練のシチュエーションとしては、架空の窓口で不審者がカウンターの職員に因縁をつけ、その後刃物を振り回し、灯油をまくというものです。
実際に、不審者役の職員が演じる中で、他の職員はさすまたや盾を使い、不審者を制止する方法を学びました。また、避難誘導や110番通報の手順も確認され、よりリアルな対応が求められました。訓練後は、職員たちが不審者役と市民役を交代し、再度繰り返し訓練を実施しました。
さすまたの使い方と注意点
訓練の中では、豊橋警察署の警察官がさすまたの使い方を実演しました。さすまたは長い武器で相手との距離を保ちながら対応することができるため、有効な防衛手段とされています。しかし、警察官は「両手で先端部を持たれるというデメリットもある」と指摘し、持っている側が相手に近づかず、上下に振りながら顔や足元をけん制することが重要であると説明しました。これにより、相手に近づくリスクを減少させながら自衛する方法が伝えられました。
さすまたの目的についても説明があり、「これは相手を制圧するためではなく、警察官が到着するまでの時間を稼ぐための道具です」と強調されました。また、刃物での攻撃に対する盾を使用した対処法も含まれ、実践的な内容で参加者たちの理解が深まりました。
安全確保と適切な通報
訓練の最後には、豊橋警察署の地域課長が「来庁者や自身の安全を優先してください。そして、早めに110番通報を行うことが重要です」と話し、参加者に対して動画を見て訓練を振り返ることを呼びかけました。この訓練を通じて、豊橋市では職員の不審者対応能力を向上させるとともに、市民に対する安全意識も高められることが期待されます。