紀陽銀行が実現した業務効率化と生産性向上
紀陽銀行は、新たに導入したAIナレッジ検索システム「Helpfeel」により、業務効率化を図っています。具体的には、電話による問い合わせ業務を年間約4,400時間も削減することに成功しました。この取り組みにより、銀行業務における生産性が大きく向上し、地域経済に貢献しています。
背景と課題
紀陽銀行は和歌山県と大阪府に根ざし、地域経済を支える役割を担っていますが、今後の人口減少など地域の課題に対処するため、全社的なデジタル化を推進する必要がありました。そのために2024年にはDX戦略部を新設し、行内のデジタル施策の実行を一元化しました。しかし、従来の営業店から本部への問い合わせは月間数千時間に達しており、これは生産性の大きな足かせとなっていました。
調査の結果、業務ノウハウが特定の経験豊富な社員に属人化し、情報探しが困難であることが判明。この状況を解消するために「Helpfeel」を導入し、知識を一元化することから着手しました。
Helpfeel導入までのプロセス
紀陽銀行では約2,000件に及ぶマニュアルや暗黙知を集約し、言語化する作業を行いました。当初は各部署がそれぞれの知識を持っていたため、全行的に協力して業務知識を整理することが求められました。「Helpfeel」の直感的な操作性を生かし、全行に展開した際には特別な教育コストを発生させず、自然と利用が拡大しました。その結果、導入から10か月で問い合わせ削減率11%を達成し、効率化を図ることに成功しました。
今後の展望と展開
紀陽銀行では、「Helpfeel」を利用することで得られた時間を、より価値の高い対面の顧客対応や急増している「相続」や「資産運用」に充てる計画です。また、組織全体での問い合わせデータ活用の仕組みを進め、AIによる知識データの一元管理を実現させることで、さらなる生産性向上を目指しています。
株式会社紀陽銀行のDX戦略部長は、「地方銀行は地域に密着しているからこそ、知識の属人化が顕著です。これを解消することが、今回のHelpfeel導入の本質的な意義です」とコメントしています。また、DX戦略担当の古野氏は、「Helpfeelの導入は、全行員のAIリテラシー向上に寄与します。この取り組みを通じて、組織文化の変革を進めていきます。」と述べています。
Helpfeelの目指すもの
Helpfeelは、企業が持つ知識や業務プロセスをAIが活用可能な形に最適化し、業務効率や生産性の向上を図るAIコンサルティング事業を展開しています。単なるAIツールの導入ではなく、経営や組織、ナレッジ基盤の変革を通じ、持続的な収益改善を実現することを目指しています。これは、「ナレッジデータの質」がAIのパフォーマンスを最大限に引き出す鍵となることを強調しています。
紀陽銀行における「Helpfeel」の成功事例は、今後の金融機関におけるデジタル化のモデルケースとしても注目されています。また、すでに国内の様々な業界で900サイト以上で導入されているこのシステムは、今後も多くの企業にとって頼れる存在となることでしょう。