NTTグループ・通信各社による防災実動訓練を実施
2025年5月21日、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)は、東北地方で初めて、避難所相当の施設を活用した合同防災実動訓練を行います。この訓練は、NTTグループ及び様々な通信事業者が参加し、地域における迅速な通信確保を目指すものです。ここでは、訓練の詳細とその背景を探ります。
実施背景と目的
この訓練は、2011年の東日本大震災や2019年の台風19号、2024年の東北豪雨災害など、多くの災害の教訓を元にしています。これらの経験から、被災地における通信の確保や設備の復旧が急務であることが分かりました。地域住民や顧客への適切な対応を実現するためにも、より一層の自治体及び通信各社との協力関係が必要です。
訓練概要
この防災実動訓練は、宮城県仙台市にある秋保体育館で、午後1時15分から午後3時15分までの約2時間にわたって実施されます。参加者には、東北総合通信局や東北地方整備局、宮城県、さらには主要な携帯事業者やNTTグループの各社が名を連ねています。
主な参加団体
- - 東北総合通信局
- - 東北地方整備局
- - 宮城県
- - 東北電力ネットワーク
- - KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルなど携帯事業者各社
- - NTTグループ(NTT東日本・NTTドコモ東北など)
訓練内容
訓練では、屋内外を含めた具体的な訓練内容が設定されています。屋内訓練項目では、関連機関との情報連携や相談窓口の開設、スターリンクや無線装置を使った通信環境の確保が行われます。
屋外では、携帯通信の確保、移動電源車による電源供給連携、ドローンによる被災地調査などが実施される予定です。特に、スターリンクは低軌道衛星を利用した衛星インターネットサービスであり、通信環境が整っていない地域でも、高速で安定したインターネット接続が可能です。これにより、災害時における情報伝達が迅速に行えるようになります。
WOTA BOXによる水の提供
また、訓練の一環として設置される水循環型シャワー「WOTA BOX」は、ポータブル水再生システムとして注目されています。このシステムは、排水の98%以上を再生することで、いつでも清潔な水を供給することができるため、被災地における衛生面でも重要な役割を果たします。
訓練の意義
今回の訓練は、単なる技術の実演にとどまらず、災害時の地域支援に向けた重要なステップと位置付けられています。自治体や通信各社が連携して、より効果的な対応策を講じていくことが求められています。また、訓練を通じて得られる知見や経験値は、今後の災害対策に大いに役立つことでしょう。
今後も継続的な取り組みと、地域との強力なパートナーシップが期待されます。