新型スパロールホルダ
2025-10-14 10:55:38

高精度表面仕上げを実現する新型スパロールホルダ登場

株式会社スギノマシン、球面用スパロールホルダを発売



株式会社スギノマシン(富山県滑川市)が、新たに開発した球面用スパロールホルダ「SES-AH(アングルヘッドタイプ)」を販売開始しました。この製品は、自動車部品などに多く見られる球面形状ワークに対して、非常に高精度な表面仕上げを実現するためのツールです。

商品の特長



「SES-AH」は、ローラを用いて金属表面を押し均し、なめらかな仕上がりを実現する鏡面仕上げ工具です。ローラによる転圧加工により、金属表面は塑性変形を受け、滑らかな仕上がりが得られます。また、表面改質(耐摩耗性や疲労強度の向上)も同時に行うことで、自動車部品が求める生産性、耐久性、さらには安全性の向上にも寄与しています。

今回の製品はボールスタッドやタイロッドエンドなど、球面形状の駆動部品に特に最適です。一般的なミーリング機能を持つNC旋盤に直接取り付けられるため、専用機器を必要とせず、容易に導入できます。この設計により、設備の新規投資やライン変更をせずに済むため、効率的かつ低コストで生産性の向上を図ることが可能です。

開発の背景



製造業では、市場ニーズの多様化や製品ライフサイクルの短縮、小ロット化といった新たな課題が浮上しています。これにより、柔軟な多品種少量生産への対応、加工リードタイムの短縮、そして製造コストの最適化が求められています。また、熟練技術者の不足や人手不足の問題も影響を及ぼしています。これらの状況に対応するため、当社は既存のNC旋盤で球面形状を加工できるツールを開発することにしました。

製品の性能



「SES-AH」の最大の特長は、高速加工による高品質な表面仕上げが可能である点です。マルチローラ構造を採用し、3~6秒でRz0.8μm以下の鏡面仕上げを実現します。この性能は生産性を大幅に向上させ、これまでの加工方法に比べて格段に効率的です。

また、汎用ミーリング付きのNC旋盤に容易に取り付けられるため、他の装置に負担をかけることなく利用できます。さらに、ツールの設置も簡単で、経験や感覚に依存することなく段取りや立ち上げが可能となります。数値化された加工条件は、量産加工においても安定した品質を保持します。

仕様や今後の展望



「SES-AH」は幅200mm、奥行95mm、高さ153mm、質量は約6.5kgとコンパクトな設計です。対応サイズはSΦ10~40で、販売開始は2025年11月を予定しています。なお、この製品は2025年10月22日(水)から10月25日(土)にポートメッセなごやで開催される工作機械見本市「メカトロテックジャパン2025」に展示される予定です。

株式会社スギノマシンは、1936年に設立され、様々な産業機械や装置の開発を手がけてきました。今後も製造現場におけるコスト効率の良い品質向上を支援し続けることを目指します。


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会社情報

会社名
株式会社スギノマシン
住所
富山県滑川市栗山2880番地
電話番号
076-477-2555

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