近年、賃金交渉は労働者にとって重要なテーマとなっています。一般財団法人 労務行政研究所が発表した最新の調査結果によれば、2025年の賃上げ見通しは非常に楽観的です。
調査は、485人の労使関係者や労働経済の専門家を対象に行われ、2025年の賃上げ額は平均で1万5057円、賃上げ率は4.60%と予測されています。この数値は2024年実績を下回るものの、依然として高い水準を維持しています。特に、労働側の平均賃上げ額は1万5384円、賃上げ率は4.70%となっており、経営側をわずかに上回っています。
さらに、2025年の定期昇給については、労使ともに約9割が実施を予定しているとの調査結果があります。これは、労働側が94.0%が「実施すべき」と考え、経営側も55.2%が「実施する予定」と答えたことを示しています。特に、経営側の14.7%が「実施しない」と回答している点が注目されます。
加えて、2025年春季交渉での人事施策に関する課題も浮き彫りになっています。労働側が特に重視しているのは「人材の採用・確保」であり、47.3%がこの項目について話し合いを予定しています。次いで「時間外労働の削減・抑制」が30.0%、また「福利厚生の見直し」が29.3%という結果が出ています。
一方で、経営側も同様に「人材の採用・確保」を最も重要視しており、31.5%が話し合う予定としていますが、全体的に労働側に比べ話し合いの割合は少なくなっています。これらの結果は、賃上げだけでなく、労働環境全体をより良くするための施策が求められていることを示唆しています。
調査は2024年12月から2025年1月の期間に実施され、対象は労働側が265人、経営側が116人、労働経済分野の専門家が104人の合計485人です。これらのデータは、企業の賃金政策や人事施策を考える上で非常に貴重な情報となります。
この調査結果は、今後も労働市場の動向を見守る上で注目されるもので、労使双方が歩み寄りながら、より良い環境を築くことが期待されています。具体的な交渉はこれから始まりますが、双方の意見をすり合わせることで、労働者にとって魅力的な労働条件が実現されることを願っています。詳しい調査結果は、一般財団法人 労務行政研究所のウェブサイトでもご覧いただけます。