新卒採用の現状
近年、新卒採用市場において学生が働き方や待遇について厳選する傾向が強まっています。株式会社キャリタスが行った調査では、全国の企業が新卒採用に対してどのように感じているかが明らかになりました。この調査は、2025年6月25日から7月4日の間に、1135社を対象に行われました。
学生の反応
調査結果によると、2025年卒採用においてのエントリーや応募者数は前年より減少しましたが、減少は「増えた」という企業の声を上回りました。これは、過去の年と比較して、企業側の魅力的な採用活動や学生の関心の変化が影響を与えていると考えられます。
採用活動の開始時期
採用広報解禁前に面接を開始する企業が半数を超え、内定を出すタイミングも12月が最も多いという結果が出ています。特に大手企業の動きが速く、早期の選考が多く見受けられました。
働き方への意識の変化
さらに面白いデータとして、接点を持った学生に対する企業の感触は、約76.3%が「待遇や働き方にこだわる学生が増えた」と回答しています。この数値は、学生の働き方に対する価値観が変化していることを物語っています。
採用活動の進捗
選考を終了した企業は22%であり、内定者充足率の平均は53.5%にとどまります。もちろん継続中の企業では、採用が難しいと考えている企業の割合も高く、6割近くに達しています。企業が十分な内定者を得られず苦しんでいる現状が伺えます。
内定者満足度と辞退状況
内定者に対する満足度を調査した結果、「質・量ともに満足」とした企業はわずか20.7%にとどまり、多くの企業は「量」に対して不満を感じていることがわかります。また、内定辞退が「増えた」と答えた企業は26.3%であり、承諾を促進するための施策には「社員との交流」や「人事面談」が有効とされています。
2027年卒採用の見通し
2027年の新卒採用に関しては、7割以上の企業が2026年卒以上の採用を予定しており、依然として採用意欲は堅調に推移しています。また、採用予算も増加傾向にあり、企業は積極的に新卒採用に取り組む姿勢を見せています。
人事担当者の言葉
調査の最後には人事担当者から寄せられた川柳も紹介されています。「初任給 羨ましがる リクルーター」や「桜咲く 頃の就活 終盤だ」といった作品が印象に残ります。採用の現場の様子をユーモラスに表現したこれらの川柳は、参加した人事担当者の胸の内を垣間見ることができます。
この調査結果は、採用市場における新たなトレンドを浮き彫りにし、企業がどのように学生のニーズに応えていくべきかを考える重要な資料となっています。詳細なレポートは
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