2025年6月の転職求人倍率が2.33倍に
パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda」は、2025年6月の転職求人倍率を発表しました。この結果、求人倍率は2.33倍に達し、前月から+0.05ポイントの上昇となりました。これは中途採用市場における需給バランスを示し、転職希望者1人あたり中途採用の求人が何件あるのかを算出した数字です。具体的な計算方法は、求人数を転職希望者数で割ったものとなっています。
転職市場の現状
2025年6月の転職求人倍率は、全体的に求人が増加したことを反映しています。求人数は前月比で+1.7%、前年同月比では+2.0%という増加を記録しました。一方、転職希望者数は前月比で-0.6%、前年同月比で+13.8%と、前年同月に比べて大きく増えているものの、前月と比べると減少しています。この傾向の背景には、特に夏季の賞与が増加し、転職に踏みとどまる層がいたと考えられます。一般的に、夏の賞与を受けた後に転職活動を考える人が増えるため、今後の市場の変化を見逃せません。
業種別、職種別の動向
業種別に見ると、求人増加が最も顕著だったのは「エネルギー」で、前月比で108.2%という大幅な増加がありました。特に、水素エネルギー関連の求人が増え、カーボンニュートラルに関連する新ビジネスの展開が求められています。また、レジャー・外食業界も104.1%の増加が見られました。
職種別では、最も増加率が高いのは「販売・サービス」で前月比104.1%、続いて「専門職(コンサル・金融)」が103.7%の増加を記録しています。これらの業種や職種が転職希望者にどのような影響を与えるか、今後の動向が注目されます。
今後の市場見通し
2025年第1四半期(4~6月)では、業種別では「小売・流通」が最も求人が増え、約7.8%増加しました。出店数が増える中、採用活動や業務効率化に向けたIT人材の需要が高まっています。また、新卒採用で不足している人員を第二新卒で補充する傾向も見られています。
2025年7月以降の市場については、米国の関税やAI技術の進展などが影響し、一部の業界では予測が難しい状況です。しかし、例年の傾向を元に考えると、求人が増加し続ける企業が多く、採用への意欲は高い水準を維持するでしょう。ただし、夏季休暇の影響で7月と8月にかけて転職希望者数は減少することが予想され、その結果、転職求人倍率は上昇する可能性が高いです。
今回の解説
dodaの編集長桜井貴史は、転職市場について「これまでの成果を通じて60万人以上の若者のキャリア支援に関与してきた中で、Z世代の雇用ニーズや企業の採用手法について研ぎ澄まされた視点を持っています。これからの市場においても、企業側と転職希望者のニーズを的確に把握し、より最適なマッチングを目指していきます」と語っています。
参考資料
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dodaでは、転職サイトやエージェント、フェアなどの多様なサービスを通じて、求職者と求人企業の最適なマッチングを行っています。「はたらく今日が、いい日に。」をスローガンに掲げ、さらなるサービスの拡充を目指しています。