小池コンサルティング株式会社は、2025年6月からINTAGE(Thailand)Co., Ltd.との協力のもと、タイで日系企業の現地法人に勤務する従業員を対象にした人的資本経営に関する実証調査を開始します。人口減少やグローバルな競争が激化する中、企業の人材戦略の重要性はますます高まっています。この調査は、個々の従業員が自身の働く環境についてどのように感じ、評価しているかを明らかにすることを目指しています。
調査の中心となるのは、「人的資本経営の戦略枠組」に基づき、社員自身の視点から環境の充足度や期待度を可視化します。この結果をもとに、企業の人材戦略を強化し、全体の企業価値を向上させるための具体的な施策を考案することが狙いです。
近年、経営戦略と人材戦略が相互に連携することが求められるようになり、エンゲージメントの定量化や現地法人の組織開発、文化の変革が重要な課題として浮上しています。しかし、現場の社員がどのように自社の文化や戦略を受け止め、何を感じているのかといった意識面の可視化は未だ限定的です。
この調査では、オフィスワーカーや専門職に留まらず、製造、物流、サービス等、さまざまな職種で活躍する社員が参加します。特に重視されているのは、現場で働く社員の声を直接収集することです。このような多様な職種層からの意見を基に、以下の3つの柱に沿ったエビデンスを導出し、示唆を得る予定です。
1. 現地法人における人材マネジメントの高度化
2. 日本本社と現地法人の戦略的接続(グループ全体としての価値創出)
3. 人的資本レポートとエンゲージメント指標の実効性向上
このように、実務現場に根ざした人的資本経営の取り組みは特に重要です。特に現場に根ざした視点を持つ調査は珍しく、その意味では画期的かつ意義深いものといえるでしょう。
多様な職種の声を取り入れることで、人的資本経営が実際にどのように企業全体に影響を与えるのかを探る試みは、国内外の実践例を考えるうえでも非常に貴重です。当社は、これらの実証的な知見を活かし、企業の持続可能な成長に向けた有形・無形の価値の創出を支援していきます。企業の成長には多様な視点が必要ですし、そのためには現場の声をしっかりと聴くことが欠かせません。
今後もこの取り組みを通じて、企業と従業員の信頼関係を築き、よりよい職場環境の創出につなげていく所存です。国内外の企業がどのようにこの調査結果を活かしていくのか、今後の展開に期待が寄せられます。