ニッケが開発した布地の肌離れ性試験法の革新性について

日本毛織株式会社、通称ニッケが新たに開発した布地の「肌離れ性」に関する試験方法は、発汗時における不快感を軽減し、さらにはスポーツ時のパフォーマンス向上にも寄与することが期待されています。この試験法は、大阪大学の秋山庸子准教授との共同研究により実用性が確認されました。

开発の背景と目的

汗による衣服のまとわりつきは、日常生活やスポーツ活動において大きな悩みの種です。この課題に対し、従来は簡易に評価できる方法が存在せず、どの素材が肌離れ性に優れているのかも明らかではありませんでした。ニッケは、これまでの多様な布地試験の経験を踏まえ、この問題に対するシステム的な解決策を提示することを目指しました。評価の客観性を高めるために、実感と数値が一致する「肌離れ性」の計測を開発しました。

研究の方法

まず、布地の肌離れ性を数値化することから始まりました。涼しい環境下で布地が乾いている状態と、汗をかいた際の濡れた状態での摩擦力を測定するために、従来の引っ張り試験機を改良し、湿潤布地と皮膚の間の摩擦力を測定しました。この特許出願中の測定装置が、さまざまな布地の評価における重要な鍵となります。

秋山准教授との共同研究によって、この新たな試験方法の妥当性とともに、肌離れ性に影響を与える他の要因についても検証が行われました。

研究成果

調査の結果、得られたデータは実際の人の感覚と一致しており、ニッケの試験方法は確かなものとして認められました。この「ニッケ法」は、社内で標準化されており、依頼があれば常時試験ができる体制が整っています。さらにさまざまな布地の肌離れ性についても新たな知見が得られ、特にウールが肌離れ性において優れていることが判明しました。