ホットリンクの最新調査結果
株式会社ホットリンクが、生成AIの活用に関する最新の社内調査結果を公開しました。調査対象となったのは同社の正社員および契約社員127名で、期間は2024年10月16日から22日までの約一週間です。これにより、生成AIツールの実際の使用状況と、その効果が明らかとなりました。
1. 調査背景
日本の企業において生成AIの利用はまだまだ発展途上です。総務省が発表した「令和6年版情報通信白書」によると、メールや資料作成の補助として生成AIを使用している企業は46.8%と、海外と比べて低い水準にとどまっています。それに対抗する形で、ホットリンクは「AIドリブンカンパニー」を目指し、最新のテクノロジーの活用を重視しています。
同社は2023年からAIの導入を進め、2024年4月より全社的な推進を開始しました。今回で3回目となる調査では、社員の意識や利用状況が着実に向上していることがわかります。
2. 調査結果
(1) 利用頻度
調査の結果、業務におけるChatGPTなどのAIサービスを「毎日(週5回以上)」使用している社員は44.1%に達しました。これは前回調査より8.3%の上昇です。また、「週3~4回」利用している社員も37.8%となり、徐々に利用が定着してきている様子が伺えます。
(2) 向き合い方
AIサービスとの向き合い方に関しては、71.7%の社員が「積極的に使うべき」と考え、実際に利用しています。また、27.6%が「使いたいが、使い方がわからずにいる」とも回答しました。顕著なのは、99%を超える社員がAIサービスの利用にポジティブであることです。
(3) 組み込み割合
業務におけるAIサービスの組み込みは「11%~30%」という回答が最も多く、45.7%を占めています。次いで「1%~10%」が27.6%、「31%~60%」が17.3%と続いています。
(4) 利用効果
AIサービスを利用した結果、53.5%が「それなりのポジティブな効果を感じている」と回答し、38.6%が「非常に強いポジティブな効果」を実感しています。特に業務の効率化や作業のスピードアップが挙げられています。
(5) 利用しているAIサービス
調査結果によると、ChatGPTの利用率は96.9%に達し非常に高く、次いでCanvaやClaude、Geminiなどが11%~14%の利用率となっています。AIサービスとして他のツールの利用は10%未満でした。
(6) ポジティブな意見
ポジティブな意見としては、業務効率化やメンタルケアが挙げられ、工数削減や物事を進めるきっかけになっているとの意見も寄せられています。特にメンタルケアには社員から温かい反響がありました。
(7) ネガティブな意見
一方で、ネガティブな意見としては「出力の誤り」や「アウトプットへの信頼性」が挙げられています。信憑性の評価の難しさや、良いアウトプットを得るための試行錯誤が負担になっているようです。
3. 経営企画担当のコメント
執行役員で経営企画を担当する大野俊太郎氏は「前回の調査から、社員のマインドセットが整い、実際の利用が進んでいる結果が見えてきました。ポジティブな側面が増えた一方で、新たな課題も浮かび上がってきました。今後は仕組みや設計の改善を行っていき、さらなる効率化を目指します」と述べています。
4. ホットリンクの企業概要
ホットリンクは日米で事業を展開する企業で、SNSマーケティング支援など多岐にわたるサービスを提供しています。Web3においてもデータ分析力を活かし、新たなビジネスモデルの確立を目指しています。証券コードは3680で、東京都千代田区に本社を置いています。
公式サイト:
ホットリンク公式サイト
この調査結果は、生成AIが企業の業務プロセスにどのように影響を与えるかを考える上で非常に重要な示唆を与えており、今後のさらなる成果が期待されます。