「夜明け前大吟醸」がIWCと全国新酒鑑評会で受賞連発の快挙

酒の新たな歴史を刻んだ「夜明け前大吟醸」

日本酒の魅力を世界に知らしめた「夜明け前大吟醸」が、国際的な評価を受けて注目を浴びています。2022年に開催されたIWC（インターナショナル・ワイン・チャレンジ）では、ゴールドメダルを獲得しただけでなく、特に優れた銘柄に贈られる「リージョナルトロフィー」も受賞。この快挙は、全出品数1,732銘柄の中から選ばれた80銘柄のひとつであり、その評価の高さを物語っています。さらに、全国新酒鑑評会でも金賞を受賞し、まさに二冠達成の栄誉を手に入れました。

醸造の背景とこだわり

「夜明け前大吟醸」は、兵庫県口吉川産の特等米「山田錦」を使用し、精米歩合は驚くべき35％まで磨き上げられています。これは、酒米に対する徹底したこだわりが詰まっていることを示しています。醸造には霧訪山の伏流水が用いられ、さらにその製法には多くの職人の技術と思いが込められています。これにより、メロンのような華やかでフルーティーな香りと、口当たりのマイルドさが生まれます。この酒の味わいは、滋味深く、飲む人々を魅了してやみません。

ブランドの歴史と誕生

「夜明け前」というブランド名の誕生には、深い歴史があります。この名前は、小説『夜明け前』の著者である島崎藤村の生誕100周年を記念して1972年に誕生しました。小野酒造店が「夜明け前」と名付けることを決めた背景には、藤村と深い関係を持っていた長野県辰野町の地が選ばれたことが影響しています。命名の際には藤村の嫡子である島崎楠雄氏の許可を得て、島崎家公認の銘柄となりました。今後も「夜明け前」の名前に恥じぬよう、酒造りの精神を大切にし、さらなる高みを目指していく所存です。

他の受賞作との連携

さらに「夜明け前」からは、別の受賞作も登場しています。「夜明け前純米大吟醸」はIWCの「純米大吟醸酒の部」でシルバーメダルを獲得し、また「特別本醸造辰の吟」は本醸造酒の部門においてブロンズメダルを受賞。これらの成果は、小野酒造が提供する多様な日本酒の魅力を示しています。

IWCの価値

毎年ロンドンで開催されるIWCは、世界で最も影響力のあるワイン品評会のひとつです。この品評会が設立された2007年以降、特に「SAKE部門」が設けられたことで、日本酒の国際的な評価が高まりました。審査は厳格で、各カテゴリーの専門家によるブラインドテイスティングが行われ、優れた作品にはメダルが授与されます。金属に輝くメダルは、日本酒業界における大きな名誉となり、多くのメーカーがこぞって参加しています。