栗林商船、ALGO ARTISとの連携で海運業界のDXを推進する

栗林商船とALGO ARTISが描く海運業界のデジタルトランスフォーメーション

新たなスタートを切る海運業界

海運業界がデジタル化の波に乗る中、株式会社ALGO ARTISと栗林商船株式会社のパートナーシップが、新たな一歩を踏み出しました。2025年12月から実務運用を開始した配船計画DXソリューションは、長年利用されたExcelを基盤にし、効率を飛躍的に向上させることを目指しています。これまでは、情報の散在や業務の属人化が課題となっていましたが、今回の取り組みはこれらの解決に重点を置いています。

背景とその課題

栗林商船では、営業管理、配船指示、採算管理をExcelで処理していました。しかし、そのシンプルさが逆に情報を複雑にし、迅速な判断を妨げていました。状況が刻々と変わる海運業界において、リアルタイムで情報を共有できないことが、業務の遅れや教育負荷を引き起こしていたのです。また、既存システムが栗林商船独自の業務にフィットしないことも大きなチャレンジでした。

ソリューションの特長と効果

今回導入されたアルゴアーティスのソリューションは、Excelの構造を取り込み、直感的なユーザーインターフェースを短期間で構築します。このスモールスタート型DXは、導入コストを抑え、業務運用を大きく変えずに実現されます。これにより、利用者は新たなシステムに悩むことなく、Excelの延長線上で容易に操作できるため、習熟も早いのが特長です。

さらに、営業、配船、採算管理が統合された一元管理が実現します。これまでバラバラだった情報が集約されることで、業務負荷が軽減され、情報共有が容易に。引き継ぎや教育の効率が大幅に向上することで、属人化を解消し、業務プロセスの標準化が図られます。

現場のリアルタイムな情報把握

売上、粗利、稼働率などの主要な指標が即時に把握できるため、計画段階で業績のインパクトをシミュレーションすることが可能になります。これにより、現場の報告資料作成負荷が軽減され、経営判断の精度も高まります。現場と経営が同じデータを基に迅速な意思決定を行える環境が整います。

代表者コメント

栗林商船株式会社の専務取締役、栗林広行氏は、「小型不定期船事業部門における配船計画は重要な業務であり、変化に迅速に対応することが求められます。この新しいソリューションの導入で、チーム全体の意思決定のスピードが向上し、顧客へのレスポンスも強化されることを期待しています」と述べています。

また、ALGO ARTISの代表取締役社長、永田健太郎氏は、「スモールスタート型DXは現場のリアルな状況に即したアプローチであり、これからも業界に新たなモデルケースを提示していく所存です」とコメントしています。

今後の展望

双方の企業は、この取り組みを通じて海運業界におけるデジタルトランスフォーメーションの新たな道筋を開くことを目指しています。今後は船陸通信システムや請求業務との連携を検討し、計画から請求まで一貫して管理できる体制を築いていくことで、さらなる業務効率化を図る計画です。これにより、海運業界が抱える情報管理の課題を解決し、業務の生産性を高めていくことに期待が寄せられます。