次世代半導体に対応した新型塗布装置の登場
東レエンジニアリング株式会社は、半導体業界の新たな挑戦に応えるべく、先端パッケージ向け塗布装置「TRENG-PLPコーター」の販売を2024年12月から開始します。この新型装置は、高性能の半導体製造技術であるパネルレベルパッケージ(PLP)専用に設計されており、AIサーバーやデータセンター市場の成長に寄与することが期待されています。
PLP技術とは何か?
パネルレベルパッケージ(PLP)技術は、次世代半導体の製造方法として注目されています。特に、インターポーザと呼ばれる部品の製造において、近年の需要増加に応えるために、従来の技術では解決できない課題が存在しました。そのため、東レエンジは、新しい塗布装置の開発に着手しました。
TRENG-PLPコーターの特長
「TRENG-PLPコーター」は、ガラス基板上に微細な再配線層の構築を可能にするため、次の特長を備えています:
- - 高精度塗布技術:膜厚が均一で、反りがある基板でも安定した塗布が可能です。
- - トータルシステム:塗布から乾燥までの一貫したシステムで、効率的な生産を実現します。
- - 豊富な実績:過去のプロジェクトで得た実績を基に、高い稼働安定性があります。
この装置により、半導体製造の生産効率が大幅に向上することが期待されています。
市場の動向と需要
最近では、生成AI用サーバーの需要急増により、ハイパースケールデータセンターの設置が進んでいます。この影響で、半導体の高性能化およびそのパッケージの大型化に対する需要も大きく伸びています。それに伴い、製造効率の改善が求められています。特に、埋もれたデッドスペースを極力減らすことが、今後の生産効率向上の鍵となるでしょう。
未来に向けた展望
東レエンジは、「TRENG-PLPコーター」のパイロット機をすでに大手半導体メーカー数社に納入し、その技術を確立しました。今後は2025年度に30億円、2030年度には60億円の受注高を目指しています。このビジョンを実現するためには、PLP技術を駆使した新しいソリューションの提供が不可欠です。
結論
先端半導体製造の新たなスタンダードとなることを目指す「TRENG-PLPコーター」は、半導体業界には欠かせない存在と成り得るでしょう。東レエンジニアリングが培った各種技術を活かし、さらなる進化を遂げていくことが期待されます。これからも、半導体産業の未来を切り拓くような革新的な製品に注目が集まります。