Penetratorが不動産取引支援SaaSのグローバル版を発表
2024年11月、JAXA発のスタートアップである株式会社Penetratorが、不動産取引支援SaaS『WHERE』のグローバル版をリリースしました。このサービスは、衛星データとAIを活用し、宅建業者などが不動産を仕入れるプロセスをデジタル化し、効率化を図ることを目的としています。Penetratorは、来年の1月に米国ラスベガスで開催される世界最大のテクノロジー見本市「CES2025」に出展し、新サービスを広くアピールする予定です。
不動産取引支援SaaS『WHERE』の特徴
日本国内には約12万社の宅建業者が存在しますが、その多くがアナログ的な手法で不動産の仕入れを行っています。直接取引の依頼を受けるために人脈頼りの活動が主流で、業務の遂行には多くの時間と労力を要しています。しかし、コロナ禍を受けて宅建業法が改訂され、リモートでの手続きが可能となったことで、今こそ不動産仕入れ手法の見直しが急務とされています。
そこでPenetratorは、衛星データとAI技術、登記情報システムを駆使し、ワンクリックで不動産所有者の情報を収集できる『WHERE』を開発しました。このサービスにより、宅建業者や関連企業は業務の効率化を実現し、成長を加速することが可能になります。2023年7月にベータ版を、9月にはサービス版をリリースし、これまでに三菱地所や三井不動産といった大手デベロッパーにも利用されています。
グローバル版『WHERE』開発の背景
グローバル版『WHERE』の開発には、日本資本の海外不動産投資が増加していることが背景にあります。2023年度には海外不動産投資額が前年比210.5%の22.3億ドルに達する見込みであり、不動産市場が変化する中、ユーザーのニーズに応えるためのサービス提供が求められています。また、海外不動産市場は複雑な法律や商慣習が存在し、既存の手法では市場参入が難しいことから、グローバルな展開には新たなアプローチが必要です。
問題を解決するために『WHERE』は、衛星データによる客観情報をリアルタイムで取得し、自社だけでなく現地パートナーとのつながりを提供します。
今後の展望
新たにリリースされたグローバル版『WHERE』では、全ての画面が英語に翻訳され、米国全土の不動産オーナー情報を取得することが可能になりました。Penetratorのビジョンは、「宇宙から地球の不動産市場を変える」ことです。情報の垣根を取り払い、よりオープンで自由な不動産市場を構築するため、今後もイギリスやオーストラリア、シンガポールなどへサービスの展開を進めていく方針です。
CES2025での出展
Penetratorは、2025年1月7日から10日にかけて開催されるCES2025に出展します。このイベントは、毎年米国ラスベガスで行われるテクノロジーの見本市で、全世界から多くの来場者が集まります。Penetratorは新サービス「WHERE」を披露し、さらなるビジネスチャンスの創出を目指します。前回のCESでは約14万人が来場し、スタートアップたちにとっては貴重なPRの場となっています。
Penetratorはこれからも不動産市場に革新をもたらし、グローバルな展開を進めていく意気込みを持っています。 CES2025での発表を通じて、その進化したサービスを全世界に向けて発信していく予定です。