Z世代育成をテーマにした新たな対話の試みとその意義
2025年8月14日、海藤美也子氏が著書『Z世代を戦力にするリーダー力』を発刊しました。これを受けて、彼女はZ世代に対する理解を深めるための対談イベントを実施しました。これらのイベントでは、現役大学生や1on1研修の専門家と意見を交わし、今後の人材育成についての新たな視点を提供しています。
Z世代との対話を通じて
昨年8月27日、戸板女子短期大学で行われたパネルディスカッションでは、海藤氏が学生たちと「働くこと」について熱心に意見を交わしました。参加したのは、学生たちの中から選ばれた就職支援チーム「きゃりたん」のメンバーです。ここでは、Z世代が持つ独自の价值観や職場に対する期待についてのリアルな対話が繰り広げられました。
学生たちは、「関心が強いことに力を注ぎたい」と述べ、従来のような「気合いで頑張る」という感覚とは異なる新たな働き方を求めています。また、アルバイトの際に感じるやりがいについては、教育を任され自分が成長に寄与できるときが最もやりがいを感じると話しました。これらの意見を通じて、Z世代の心に響くリーダーシップが浮き彫りになっています。
「若手を活かすためには、自由度のある行動を促すべきだ」と海藤氏は提案し、学生たちもそれに納得の様子でした。対話の中から見えてきたのは、若い世代と大人世代の間に存在する「世代間ギャップ」的なズレですが、それを乗り越えるための「共通点」に目を向けることが重要だという教訓です。
1on1でのリーダーシップの重要性
さらに、9月4日の出版記念パーティでは、1on1の第一人者である櫻井将氏との対談が行われました。櫻井氏は「聴くこと」の重要性を強調します。無意識の「聞く」は、誤解を生む可能性があるため、意識した上で意見を受け入れる「聴く」を実践すべきだと述べました。このアプローチは、彼らの意見を理解し、共感するための鍵となります。
海藤氏もこの考えに共感し、Z世代を「分からない世代」ととらえるのではなく、「可能性の塊」として育成していくべきだと訴えています。これにより、若手が活躍できる環境を整えることができ、企業は彼らの力を引き出すことで新たな価値を生み出すことが可能となります。
若手育成に求められる転換期
海藤氏は、Z世代に向けたリーダーシップを刷新し、彼らとの「共通点」を探ることの重要性を強調しています。彼女自身の経験から、多様な背景を持つ人材と共に成長できる環境を整えることが、企業の競争力を高める鍵であるとも述べています。今後の人材育成において、彼女が提示するアプローチは、広く小売業界だけでなく他業界にも影響を与えることでしょう。
海藤美也子氏の新著や、イベントでの対談を通じて見えてきたのは、Z世代への理解を深める中で、自らのリーダーシップをどのように再構築するかという課題です。その答えを探し求め、実行に移すことは現代の経営者にとって重要な使命です。今後も彼女の活動に多くの人が注目し、共に学び、成長していくことでしょう。
書籍情報
- - 書名:Z世代を戦力にするリーダー力
- - 著者:海藤美也子
- - 定価:1,760円(税込)
- - 発売日:2025年8月14日
- - 出版社:みらいパブリッシング
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