中小企業におけるAI活用の実態
株式会社フォーバルが行った調査によると、日本の中小企業におけるAIの導入状況は、業務でAIを活用している企業が36.9%にとどまっています。しかし、このなかで実際にAIを導入した企業の約91.7%が「業務効率化」の効果を実感しており、AI活用の重要性が浮き彫りになっています。
AI活用への関心が高まる背景
昨今、多くの業界において人手不足や生産性の低迷が深刻な経営課題となっています。このような状況の中で、AIの活用はこれらの課題を解決する一つの手段として注目されています。特に中小企業庁が発表した2026年版「中小企業白書」では、AIトランスフォーメーション(AX)が中小企業の成長に向けた重要な機会と位置づけられ、多くの企業がAI導入に前向きであることが示されています。
調査の概要と結果
今回のフォーバル GDXリサーチ研究所のレポートでは、全国の中小企業経営者1,653人を対象にした調査結果が発表されました。その結果、『業務でAIを導入・活用している企業』は36.9%、導入に向けて『検討・試験運用中の企業』は20.1%と、AI導入に対して前向きな意向が見受けられました。
業務効率化の効果
AIを業務で活用している企業は、91.7%が「業務効率化」の効果を実感しています。また、86.5%の企業は「工数削減」の効果も報告しており、AIが社内業務の改善に寄与していることがデータからも明らかになりました。一方で、「コスト削減」や「他社からの評価」に関してはそれぞれ60.1%、40.3%と、それほど高い割合ではないことがわかります。これは、AIがまず社内業務改善へと寄与する傾向があることを示しています。
今後の推進意向
さらに、83.2%の企業が今後のAI導入・活用を推進すると答えており、特に未導入の企業でもAIの活用を必要だと感じる傾向があります。「大幅に注力し、推進する」との回答が29.8%、「やや注力し、推進する」が53.4%となっています。これはAIがもたらす改善効果をますます重視していることが伺えます。
導入に向けた課題
しかしながら、AIを導入できていない企業の中での主要な課題には、「専門知識やノウハウを持つ人材の不足」や「どの業務に使えるかわからない」こと、さらには「具体的な進め方がわからない」といった理由が上げられます。これらの課題を解決することが、今後のAI活用を広げるための鍵となります。
結論
フォーバル GDXリサーチ研究所によるこの調査の結果は、多くの中小企業がAIを活用しようと意欲を示しているものの、まだ具体的な実装に向けては課題が残っていることを示しています。これからは、実務での活用方法を具体的にイメージできるような形での支援が求められるでしょう。政府の支援を受けながら、具体的な事例を通じた教育や人材育成が中小企業の成長を促す重要な要素となるに違いありません。