KPMGジャパンが「CFOサーベイ2025」を発表
KPMGジャパンは先日、国内の上場企業のCFOを対象に行った調査結果をまとめた「KPMGジャパン CFOサーベイ2025」を発表しました。このサーベイは、企業経営の不確実性が高まる中で、CFOが抱える課題やその意識を示す重要な調査です。
調査の背景
2025年の外部環境における変化は、特に米国政権の交代により急速に進んでいます。このような状況で、企業のフロンティアに立つCFOの声を集め、彼らが直面する挑戦や問題意識を浮き彫りにすることが目的とされています。
主な調査結果
調査から浮かび上がったいくつかの重要なポイントは以下の通りです。
1. 経営環境の不確実性
62%のCFOが、前年と比べて経営環境の不確実性が高まっていると感じています。為替や金利の変動、米国政権の関税引き上げなどが、企業規模を問わず影響を及ぼしています。
2. 企業価値向上に向けた課題
91%のCFOが、企業価値向上に取り組む際に何らかの課題を感じています。特に、開示内容の充実や株主還元の強化においては一定の進展が見られる一方で、実効性を伴う経営手法の見直しやバランスシート資源の最適化には問題が残っている状況です。
3. DXの進捗
CFOの31%が、管轄領域におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の成果を享受していると答えています。DXの導入は進んでいるものの、実際にその効果を体感しているのはまだ3割ほどにとどまっています。
4. 経理財務部門のリソース不足
80%のCFOが、自部門のリソースが不足していると感じています。リソース不足の解消には、増員以外にもシステム化や業務改善など、多方面からのアプローチが求められています。
調査概要
- - 名称: KPMGジャパン CFOサーベイ2025
- - 調査対象: 上場企業のCFOまたは経理財務部門責任者
- - 調査期間: 2025年8月4日~10月3日
- - 調査方法: ウェブアンケート
- - 有効回答数: 537社
この調査結果は、今後の企業価値向上に向けたCFOの取り組みや、経営の効率化に向けた示唆を与えるものであり、企業経営の現場における重要な指針となるでしょう。
KPMGジャパンについて
KPMGジャパンは、KPMGインターナショナルの日本法人として、監査や税務、アドバイザリーの領域で活動しています。各分野の専門家が協力しあい、グローバルネットワークを活用して顧客が直面する経営課題の解決にあたっています。
連携するメンバーは、有限責任あずさ監査法人をはじめ、税務やコンサルティングに特化した法人が含まれています。彼らはそれぞれの専門知識を駆使し、クライアントに価値あるサービスを提供することを目指しています。