新潟の文化をグローバルに発信する『VACANCE NIIGATA』始動

新潟の魅力を世界に発信することを目的に、本格稼働が2025年3月27日から始まる『VACANCE NIIGATA』。これは株式会社VACANCEが新たに設ける拠点で、東京都渋谷に本社を持つ同社は、エンターテイメントと技術を駆使して地域文化を国際化しようとしています。これにより、新潟のユニークな文化や食を最大限に引き出し、世界の人々との文化交流の架け橋となることを目指しています。

近年、海外で日本のエンターテイメント産業は急速に浸透しており、その価値は約5兆8千億円に達しています。2025年に向けた政府の目標には、日本独自の文化や創造性を生かし、エンタメ業界を2033年までに20兆円に成長させる計画が含まれています。新潟には、これらの動きを後押しする素材が多く揃っており、県内のアニメ制作が近年増加していることも注目されています。

新潟県は、漫画王国とも称されるほど多くの著名な漫画家を輩出しています。例えば、新潟市出身の水島新司氏や高橋留美子氏など、彼らの作品はテレビアニメ化や映画化されて多くの人に愛されています。新潟には現在5社のアニメ制作会社があり、県内のクリエイティブな環境は年々拡大しています。これに伴い、VACANCE NIIGATAは、地域のクリエイターや既存の制作会社と連携し、新たな映像表現を生み出すことに寄与していく計画です。

また、新潟県は農業や食文化にも強みを持っています。日本一の米の生産地を抱え、多種多様な農産物が県内で生産されています。特に、米を使った米菓や酒など、全国的に有名な商品も豊富に揃っています。このような食文化は、新潟独自の魅力の一つで、VACANCE NIIGATAではこれを世界に向けて発信する役割も果たしていくでしょう。

ただ、地域に根ざした文化の発信を進める中で、新潟県が直面している課題に目を向ける必要もあります。人口減少というリスクが現実であり、その主な要因は若者の県外流出です。すでに、2024年には5782人の転出超過が見込まれており、この問題は新潟全体の成長にマイナスに働く可能性があります。

VACANCE NIIGATAは、地域文化を維持し、発展させることに全力を注いでいきたいと考えています。特に映像制作に強みを持つ同社は、町の希望を繋ぐ存在として地域の企業や人々と連携し、創造的な産業を育てることで、雇用の創出にも寄与しようとしています。

リモートワークの普及により、他地域からでも新潟をサポートできるようになった今、VACANCEはあえて新潟にオフィスを設け、地域との距離を縮めることを選択しました。これにより、新潟にいる人々とのかかわりを深め、地域の需要に応じた価値のあるサービスを提供していく意向です。

『VACANCE NIIGATA』は、地域文化をグローバルに広める重要な拠点として位置づけられており、未来の新潟を創造するためのアクセルを踏むスタートとなることでしょう。新潟の持つ魅力を、映像やアート、音楽、食文化を通じて伝えることで、国内外の人々との架け橋を築く活動が期待されています。