成瀬の朗読劇初日
2025-09-14 10:05:24

朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』感動の初日レポート

朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』初日公演オフィシャルレポート



2025年9月13日、草月ホールにて、朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』が初日を迎えました。この作品は、原作・宮島未奈の同名小説に基づき、静寂から始まった物語は、観客を瞬時にキャラクターの熱量に引き込んでいきました。声の力だけで描かれる青春の感情、成長、そして世界への希望が、観客たちの心に響きました。

原作は2023年に刊行され、「これまでにない主人公に出会った」と多くの読者から支持を受け、すでに150万部を超える売上を記録するベストセラーとなりました。物語は滋賀県大津を舞台に、自身の決断を貫く女子高生・成瀬あかりの成長を描いています。その突き抜けた行動力は多くの人々の共感を呼び、数々の文学賞も受賞しています。

この朗読劇の特長は、キャストが日替わりであるということ。初日は、成瀬あかり役を演じた岩田陽葵、島崎みゆき役の紡木吏佐、西浦航一郎役の梅田修一朗がそれぞれの役を見事に表現しました。

岩田の成瀬あかりは、思い切った行動をする女の子の一面をしっかり感じさせつつ、内面の孤独感やまっすぐな心の部分も巧みに演じられていました。「私が笑いの頂点を目指す」といった突飛な宣言にも、観客はすぐに引き込まれました。岩田の演技は魅力的で、日常の中に隠れた強い決意を自然に表現しており、その表現力は朗読劇という形式の制約を超えたものでした。

一方で、紡木の島崎みゆきは、成瀬の異端な行動に対して優しく寄り添い、共感の窓口となる重要な役割を果たしました。彼女の声には親しみやすさがあり、成瀬の強烈な個性にしっかりと寄り添うことでストーリー全体のバランスを保っていました。

梅田修一朗演じる西浦航一郎は、成瀬の普通さに引き寄せられる存在感を見せつつ、心の葛藤も描き出しました。彼の演技は非常に自然で、声だけで繊細な感情を伝えながら、成瀬の影響を受けながら変化していく様子がリアルに感じられました。

成瀬と島崎の関係性は「ボケとツッコミ」のようなコミカルな一面も持ち合わせており、その掛け合いには笑いと感動が同時に存在し、会場を包み込んでいました。岩田と紡木のコンビネーションは見事で、観客はまるで漫才を見ているかのようなテンポ感に包まれました。

演出を務めた野坂実は、声だけで物語を立ち上げるという難題を巧みな手法で解決し、キャストそれぞれの個性を引き出しつつ、観客に感動を届けることに成功しました。朗読劇のために作られたオリジナルの音楽も、物語の雰囲気を一層引き立てていました。

終演後には、アフタートークが行われ、キャストたちがそれぞれの感想や演じたキャラクターへの思いを語りました。岩田は自身の演技への不安を正直に語り、観客からの拍手に感謝の気持ちを示しました。3人は、毎回異なるキャストの解釈が新たな発見をもたらしていることを強調し、作品の魅力を伝えました。

この朗読劇は、友情、成長、そして挑戦といったテーマが盛り込まれ、観客たちに感動と勇気を与えました。成瀬、島崎、西浦というキャラクターたちが観客の心に深く刻まれ、朗読劇だからこそ感じることができる特別な余韻を残したことでしょう。


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松竹株式会社
住所
東京都中央区築地4丁目1番1号 東劇ビル
電話番号

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