調査背景
現代医療の進展において、デジタル技術の導入は不可欠です。特に2024年度の制度改定においては、電子カルテや情報共有プラットフォームの普及が進むとされています。しかし、多くの医療機関では実装状況においてばらつきがあり、課題が残されています。このような中、株式会社エムネスが実施した「地域医療連携に関する実態調査」では、医療関係者の実態を明らかにすることを目的としました。
調査の実施状況
調査は2025年11月18日から11月20日の間に、全国の20代以上の医療関係者330名を対象に行われました。今回はインターネット調査を用い、回答者の属性や利用システムについてデータを収集しました。
調査結果の要点
調査の結果、全体の85.5%の医療機関が地域医療連携を実施しており、特にクリニックでは91.7%という高水準でした。一方で、具体的な情報共有システムについて「わからない・答えられない」との回答が29.9%を占め、現場の実態把握が不十分であることが浮き彫りになりました。加えて、23.6%がCD-ROMやUSBなどのアナログな方法で情報共有を行っているという現実も示されました。このように、地域医療連携が進展している一方で、未だにアナログ的な運用が根強いことが確認されました。
医療機関の規模別の実施状況
勤務先の医療機関の種類によっても実施状況に違いが見られました。クリニックが最も高い実施率を示す一方、中規模病院ではその割合が低下しました。勤務先形態別の実施状況を見てみると、
- - クリニック:91.7%
- - 中小病院(200床未満):81.5%
- - 中規模病院(201〜499床):80.3%
という結果となりました。これは、医療機関の規模によって資源や情報共有体制に影響を及ぼすことを示唆しています。
課題の分散化
地域医療連携に関する課題についても調査されました。医療機関の規模に応じて回答には違いが見られ、癒しが必要とされる分野やリソース不足が主な課題として指摘されました。また、最優先で取り組むべき事項に関しても「わからない・答えられない」が最多の回答となり、各医療機関が持つ方向性に曖昧さが残ることが明らかになりました。
行動に対する考察
本調査により、多くの医療機関で地域医療連携が実施されていることが確認されましたが、それがシステム運用の実態に乏しいことが浮き彫りとなっています。これにより、医療のデジタル化が進む一方で、現実の運用には依然とアナログな方法が多いことが報告されています。医療機関の規模による分散した課題解決には、多角的かつ個別最適のアプローチが求められています。
「LOOKREC」について
エムネスが提供する「LOOKREC」は、医用画像をクラウドで管理・共有できる革新的なシステムです。リアルタイムで画像を安全に共有できるため、医療現場での迅速な判断や治療開始をサポートします。
エムネスのミッション
株式会社エムネスは、医療機関向けのクラウド型医療情報管理・共有システムの提供を通じて、医療DXを推進しています。その結果、全国1,600施設以上で利用されており、より良い医療の提供に寄与しています。