印刷業界の脱炭素化に向けて新たな実証実験が始動

印刷業界の脱炭素化に向けた新たな試み

株式会社グーフは、印刷業界におけるCO₂排出量削減を目的とした実証実験を始めることを発表しました。この取り組みには、パイオニアの先進的なルーティング技術が活用される予定です。グーフは『適地』『適時』『適量』を実現するプラットフォーム「GEMiNX」を提供し、環境に配慮したサステナブルな印刷の普及を目指しています。

背景

印刷業界では、脱炭素社会に向けた取り組みが進んでおり、特にデジタル印刷技術を利用した小ロット印刷の需要が増加しています。加えて、環境負荷を軽減するためのグリーンプリンティングの普及も進められていますが、用紙やインクを含む原材料の調達・製造、物流により約80%のCO₂排出が生じていると言われています。このため、印刷サプライチェーン全体の最適化は急務です。

実証実験の概要

今回は、パイオニアが持つルーティング技術とグーフのデジタルプリントプラットフォームを組み合わせることで、CO₂排出量削減の効果を可視化し、有用性を検証します。第一段階として、実在のEC企業のデータを基にダイレクトマーケティング（DM）における輸送シミュレーションを実施した結果、適地生産による最大82%のCO2削減が可能であることが明らかになりました。

今後の展望

グーフは今後、出版社や事業会社、ブランドと協力して、カタログや販促用ノベルティなど、さまざまな印刷物に関する共同研究を進める計画です。これにより、「適地印刷」の有用性を証明し、印刷業界における環境問題の解決に寄与する新しいサービスを開発することを目指しています。また、印刷時に発生する横持ち輸送やサプライ品のコスト改善についても研究を重ね、効率的なソリューションの提供を目指します。