小売DXの新たな可能性 – SOLUMが日本市場に挑戦
韓国のリテールテクノロジー企業、株式会社SOLUMが日本市に本格的に参入し、小売業界のデジタル化を推進しています。2025年3月4日から7日まで、東京ビッグサイトで開催された「リテールテックJAPAN 2025」に出展し、最新のデジタルディスプレイ技術や店舗自動化ソリューションを紹介しました。このイベントは、日本で最大の流通・小売業向けのDX技術が集まる場として、約7.5万人の来場者を迎えました。
出展の背景
日本の小売業界では、慢性的な人手不足が大きな課題となっており、効率的な店舗運営が求められています。さらに、消費者の購買行動も多様化しているため、デジタル技術を活かした柔軟な価格設定や在庫管理、パーソナライズドな購買体験の実現が不可欠です。SOLUMは、これらのニーズに対応するため、ESL(電子棚札)を中心にAIやIoTを活用したスマートストアソリューションを開発しています。リアルタイムでの価格変更や在庫管理の自動化など、店舗運営をより効率的にする機能を提供しています。
出展したソリューションの紹介
展示会では、SOLUMの豊富なESLラインナップが紹介されました。異なるサイズや機能を持つESLは、リアルタイムの価格変更や省エネ設計、高い視認性を強みとしています。また、店舗での在庫確認や発注が可能な機能も搭載されており、業務負担の軽減と顧客満足度の向上に寄与します。
以下に、SOLUMが提供する革新的な技術の一部を紹介します。
Vision AI
カメラ技術により、顧客の性別や年齢層を識別し、それに応じた広告を表示します。例えば、40代の女性がカメラの前に立つと、肌の悩みに関連する商品へと自動的に広告が切り替わります。これにより、消費者により適した情報を迅速に提供し、販促効果の向上が期待できます。
Touch Finding
デジタルサイネージとESLを連携させ、顧客が探している商品を店舗内の地図上に表示します。これにより、LEDが点滅し、商品の発見をサポートします。
BLE Ward
Bluetooth Low Energy技術を活用して、顧客の動向を分析し、最適な店舗レイアウトやマーケティング施策を提案。これにより、購買体験の向上を実現します。
Solum Solution Platform(SSP)
売上や在庫、業務管理を統合したダッシュボードを提供し、リアルタイムでの店舗運営を可視化。業務の効率化と迅速な経営判断を可能にします。
Power Rail
店舗の照明や太陽光を利用してESLに電力を供給し、電池交換の手間や廃棄物を削減。これにより持続可能な運営を支援し、電力コストの最適化も図ります。
日本市場でのパートナーシップ
日本での事業展開を加速するために、SOLUMは現地の主要SI企業と協働しています。今回の展示会ではBIPROGY株式会社およびアイニックス株式会社と連携し、小売業向けの最適なソリューションを披露しました。
BIPROGY株式会社
日本の大手SI企業で、金融や製造、流通など幅広い分野でDX推進に貢献。SOLUMのESLを導入したライフコーポレーションでは、作業負担の軽減や賞味期限管理の効率化が実現されました。
アイニックス株式会社
自動認識技術ソリューションを展開する企業で、バーコードやRFID技術を用いてSOLUMのESLと倉庫管理システムを連携。リアルタイムの在庫管理や発注業務の自動化を図り、流通業界のデジタル化を支援します。
今後の展望
SOLUMのESLソリューションは、店舗の効率向上を目指し、リアルタイムの価格変更や在庫管理の自動化を実現します。特に大型流通チェーンやホームセンター、ドラッグストアへの導入が進んでいます。さらに、1インチから100インチまで多様なデジタルサイネージとの連携も進めており、今後はコンビニエンスストアチェーンへの展開も計画されています。
SOLUM日本法人代表ソ・ジョンボは、「日本市場での成長はパートナー企業との協力、そして市場ニーズに応じた技術開発によるもので、今後も小売業界のDXを加速していきたい」とコメントしています。