伊藤忠テクノソリューションズにおける1on1の改革
近年、1on1ミーティングは、マネージャーと従業員との非公式なコミュニケーションの場として注目されています。特に、COVID-19パンデミック以降、その重要性が増し、多くの企業が1on1を効果的に取り入れることを目指しています。しかし、多くの企業では、1on1の会議が形式的になり、いわゆる「1on1疲れ」という現象が問題視されているのです。
この状況に対処するため、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)では、1on1ミーティングに関する研究を行い、その結果に基づいて新たなアプローチを提案しました。今回の研究は、CTC、株式会社hootfolio、明治大学商学部の加藤拓巳准教授との共同で行われました。研究の結果、満足度の高い1on1を実施するための必要な要素が明らかになりました。
満足度向上の要因
CTCのエンタープライズ事業グループは、1on1を効果的に運営するためのさまざまな要因を評価しました。主な結果としては、
- - 傾聴と共感: マネージャーが従業員の話に耳を傾け、共感を示すことが重要です。
- - 実行力: マネージャーが従業員からの相談に基づいて具体的に行動することは、信頼関係の構築に寄与します。
- - 会話トピック: 仕事内容やキャリア開発、さらには雑談がプラスの効果を持つ一方、プライベートについての話題は満足度を低下させます。
1on1の設計において、これらの知見に基づいたスクリプトが開発されました。特にプライベートに関しては、マネージャーから話題にしない方が良いことが示されています。
スクリプトを用いたABテスト
この新しいスクリプトの効果を検討するため、CTCではABテストを実施しました。無作為に選ばれたマネージャーにスクリプトを提供し、その結果を分析したところ、スクリプトを利用しないマネージャーの1on1において、従業員の満足度が有意に向上したことが確認されました。
企業への提言
企業は、人的リソースを有効活用するために、こうした知見を体系化し、現場に負担をかけない方法を模索する必要があります。1on1を単なる形式としてではなく、実質的に効果のあるコミュニケーションの手段として利用することが求められています。
この研究は2025年11月7日に発表される予定で、詳細は『Strategic HR Review』に掲載されることになっています。
おわりに
CTCの1on1改革は、今後の企業におけるコミュニケーション改革の一例として、注目されるでしょう。各企業がこの知見を参考にし、自社にあった仕組みを構築することで、従業員の満足度を向上させるチャンスが広がります。