第一工業製薬が繊維学会で発表するセルロースナノファイバーの高機能化
2025年6月11日から13日まで、東京都江戸川区のタワーホール船堀で開催される「2025年繊維学会年次大会」において、第一工業製薬が重要な講演を行います。この講演では、同社の研究開発の成果であるセルロースナノファイバー(CNF)の高機能化とその実用例が詳細に紹介されます。
セルロースナノファイバーとは?
CNFは、特殊なレオロジー特性や優れた乳化・分散能力を持つ新しい材料として注目されています。第一工業製薬が使用しているのは、東京大学の磯貝明特別教授や齋藤継之教授が開発したTEMPO酸化技術。この技術により、細さ約3nmの高品質なシングルナノファイバーを均一に作り出すことが可能になりました。
レオクリスタの魅力
このCNFは「レオクリスタ」として商標登録されています。この製品はインクの分散剤や化粧品のテクスチャーの改良に利用されており、さまざまな用途で実用化が進んでいます。本講演では、「TEMPO酸化技術を用いたセルロース材料の高機能化」と題して、CNFの塗料、インク、セラミックス、化粧品への応用事例や、熱可塑性および難燃材料への展開についても触れられる予定です。
環境への配慮
第一工業製薬は、環境に優しい素材を積極的に展開することで持続可能な社会の実現を目指しています。従来の素材に比べて低環境負荷であり、幅広い業界において新たな可能性を提供しています。このような取り組みは、今後の社会において重要な役割を果たすことでしょう。
2025年繊維学会年次大会について
- - 開催日: 2025年6月11日(水)〜13日(金)
- - 場所: タワーホール船堀(江戸川区総合区民ホール)
- - 発表日時: 2025年6月12日(木)13:20〜14:00
- - 発表者: 京都中央研究所 コーポレート研究部 サステナブル材料グループ長 後居洋介博士(農学)
第一工業製薬が繊維学会での発表を通じて、セルロースナノファイバーの新たな技術と実用化事例を広く知らしめることが期待されます。この革新的な技術が、多くの産業に新しい息吹をもたらし、より持続可能な未来へつながることを願っています。